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危急
「危急〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
危急の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
花のように、時々心にひらめいた。が、ひらめいたと思ううちに、刻々迫ってくる生死の
危急が、たちまちそれをかき消してしまう。そうして、そのあとにはまた、太刀音と矢た....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
げのぼった。父の伝三はたった一人《ひとり》山畠の桑の手入れをしていた。が、子供の
危急《ききゅう》を知ると、芋《いも》の穴の中へ伝吉を隠した。芋の穴と云うのは芋を....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
の事は話さずとも、あなたには推察出来るでしょう。わたしは北条屋《ほうじょうや》の
危急《ききゅう》を救うために、三日と云う日限《にちげん》を一日も違えず、六千貫の....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
のも見ないわけにはゆかなかった。梵鐘《ぼんしょう》をもって大砲を鋳《い》たのも、
危急の際にはやむをえないことかもしれない。しかし泰平の時代に好んで、愛すべき過去....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
には、さっき彼に後を見せた、あの牛飼いの若者が、これも眼を血走らせたまま、相手の
危急を救うべく、今度は大きな桶を一つ、持ち上げている所であった。
彼は再び牛の....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
翻《きんぽん》せらるる汽船の、やがて千尋《ちひろ》の底に汨没《こつぼつ》せんずる
危急に際して、蒸気機関はなお漾《よう》々たる穏波を截《き》ると異ならざる精神をも....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
人の両手を執《と》って、ひきよせた。恋の抱擁《ほうよう》と見せかけて、夫人をこの
危急の際の仮の防禦物《ぼうぎょぶつ》にしなければならなかった。十秒十五秒――。向....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
の人間である儂は、調査委員会の席上で証言をさせられてこんなことを云った。『青軍の
危急を救うべく、敵前に於て危険きわまる低空の急旋転を行いたるところ、折柄洋上には....
「蠅男」より 著者:海野十三
。 落ちた仮面 「此奴がッ――」 ドドンと帆村は敢然引き金を引いた。今や
危急存亡の秋だった…… 「うわッはッはッ」 人を喰った笑い声もろともアーラ不思....
「超人間X号」より 著者:海野十三
あせ》を流しながら、自分のからだを背負って、えっちらおっちら歩きだした。こういう
危急存亡《ききゅうそんぼう》の時でなかったら、それは吹きだしたくなるような、珍妙....
「流線間諜」より 著者:海野十三
の上もない巣窟にちがいない。この上どんな殺人的仕掛があるやら分らないし、またいつ
危急を聞きつけて、決死的な新手の団員が殺到してくるか分らない。それを思うと、長居....
「取舵」より 著者:泉鏡花
くるりと波に曳れて、船は危く傾きぬ。 しなしたり! と渠はますます慌てて、この
危急に処すべき手段を失えり。得たりやと、波と風とはますます暴れて、この艀をば弄ば....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
を企てたる者さえなきに非ず。形勢の急なるは、幕末の時に比して更らに急なるその内乱
危急の場合に際し、外国人の挙動は如何というに、甚だ平気にして干渉などの様子なきの....
「活人形」より 著者:泉鏡花
い撃たれ、外よりは悪僕二人が打揃いて入り来しは、さすがの泰助も今迄に余り経験無き
危急の場合、一度は狼狽したりしが、かねて携うる絵具にて、手早く血汐を装いて、第三....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
留し、驍将ラウドンをしてシュレージエンに作戦せしめた。大王は再三シュレージエンの
危急を救わんとしたが、ダウンは毎度巧みに大王の行動を妨げてこれをザクセンに抑留し....