危機一髪[語句情報] » 危機一髪

「危機一髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

危機一髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
まち深い闇《やみ》の中へまっさかさまに転げ落ちました。が、我々人間の心はこういう危機一髪の際にも途方《とほう》もないことを考えるものです。僕は「あっ」と思う拍子....
花火」より 著者:太宰治
着たら、どうだい?」 「いいわよ、いいわよ。これでいいの。」心の内は生死の境だ。危機一髪である。 姿を消した自分の着物が、どんなところへ持ち込まれているのか、....
人間失格」より 著者:太宰治
ず笑顔をつくりながらも、内心は必死の、それこそ千番に一番の兼ね合いとでもいうべき危機一髪の、油汗流してのサーヴィスでした。 自分は子供の頃から、自分の家族の者....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でしたが、遠目に見届けたときのとおり、おりよくもそのときが断末魔へいま一歩という危機一髪のときでしたが、まだ肢体《したい》にぬくもりがありましたので、そこはもう....
恐竜島」より 著者:海野十三
でも、そうもうろくしてもらってはこまるぜ。問題は、われわれの生命にかかっている。危機一髪《ききいっぱつ》というところで、子供がわあッと泣いたため、恐竜がわれわれ....
超人間X号」より 著者:海野十三
!」 博士は一同をひきつれて、エレベーターへ乗りこんだ。 原子爆弾 まさに、危機一髪という瞬間であった。もしあと五分おくれたら、みんなの命はなかったろう。 ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
や面白い旅行だわい」こう云ったのは一式小一郎で、愉快そうな笑いを漂わせている。「危機一髪、もういけまい。こう思った時現われたのが、あの田安家の勢なのだからなあ。....
火星探険」より 著者:海野十三
聞くと共に異境の海に全員溺死してしまったであろう。博士の沈着にして果断な処置が、危機一髪のところで全員を救ったのだ。 「沙漠! 沙漠!」 右側の噴流器から、そ....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
る大事件の特報…… “ワシントン、一夜のうちに崩壊す――白堊館最初に犠牲となる。危機一髪、ル大統領、身を以て遁れる。崩壊事件の真相全く不明” “ワシントン崩壊事....
怪塔王」より 著者:海野十三
いつの間にやら檻の下からぬけて一彦の体をかかえているではありませんか。おじさんは危機一髪、檻が落ちる前にひらりととびでたのです。 「ああ、おじさん助ったんだね。....
流線間諜」より 著者:海野十三
が書き散らしてあるばかりだった。途端に下の部屋にドヤドヤと荒々しい靴の音がした。危機一髪 帆村が空気孔から見下ろしているとも知らず、突然下の部屋に現われたのは....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
で、鼻が、――君レニエの小説で僕はあんな鼻を読んだことがあるぞ。危険きわまる鼻。危機一髪、団子鼻に墮そうとするのを鼻のわきの深い皺がそれを助けた。まったくねえ。....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
え得られそうもない。 城門を押し倒して、あわや城内へ北条勢が押し込もうと見える危機一髪のとき、不思議なり城の一角から大軍勢が押し出し、手に手に松火を翳して、北....
曲馬団の「トッテンカン」」より 著者:下村千秋
をあげてよろこびました。見物人は、新吉が芸をしくじったことなどはすっかり忘れて、危機一髪というとき、ファットマンの長い鼻がうまく食い止めたということを、涙を流さ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
がない、道のない所を難儀して来た」と話しましたが信じないようでした。 私はここ危機一髪を誤まれば自分の日本人たる事が顕われてあるいは大なる災害を自分の恩人たる....