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卵色
「卵色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卵色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
に、すらりとした姿に大変よく似合った服をつけ、カステーラ菓子みたいにふんわりした
卵色のボンネットをかぶった、華奢《きゃしゃ》な娘がやって来た。二人の後では、大き....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
三人は庭の空地に来ておった。くりくり頭に桃色のへこ帯がひとり、角子頭《みずら》に
卵色のへこ帯がふたり、何がおもしろいか笑いもせず声も立てず、何かを摘んでるようす....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
がら、母屋のほうへ駆けだした。 7 天井の高い四角な部屋だった。
卵色の壁には大型のシェイフィルド銃と、古風な村田銃との二|梃《ちょう》の猟銃が横....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
早朝日の出の色の、どんよりとしていたのが、そのまま冴えもせず、曇りもせず。鶏
卵色に濁りを帯びて、果し無き蒼空にただ一つ。別に他に輝ける日輪があって、あたかも....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
着は中古でも半襟と帯とは、仕立ておろしと思うようなメレンス友禅の品の悪くないのに
卵色の襷を掛けてる。背丈すらっとして色も白い方でちょっとした娘だ。白地の手ぬぐい....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
み躙ったが、その時法水が中央の扉を、ほとんど放心の態で眺めているのに気がついた。
卵色の塗料の中から、ポッカリ四角な白いものが浮き出ていた。近寄ってみると、検事も....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
していた。 そのうちに、ある屠手の出刃が南部牛の白い腹部のあたりに加えられた。
卵色の膜に包まれた臓腑がべろべろと溢れ出た。屠手の中には牛の爪先を関節のところか....
「黒髪」より 著者:近松秋江
らぬ鰉の焼いたの、鮒の子|膾、明石鯛のう塩、それから高野豆腐の白醤油煮に、柔かい
卵色湯葉と真青な莢豌豆の煮しめというような物であった。 私は、口に合ったそれら....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
にして、いつも近くは八王子在の高尾小仏、遠くて甲州東部の連峰が見ゆるあたりだけ、
卵色の横幕を延いた様に妙に黄色になり、其上層は人を脅す様な真黯い色をして居る。西....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
太の高いのがありました、……そこの障子が、薄い色硝子を嵌めたように、ぼうとこう鶏
卵色になった、灯を点けたものらしい。 その障子で、姿を仕切って、高縁から腰を下....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
十月十四日、未明の空にはなごりの星があわく光っていた、太陽はまだあがらない。黄
卵色の雲が東の空に浮いていた。清涼な風が身をひきしめてすがすがしい。ぼくらは第二....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
川惣助氏の無線七宝の花瓶というのは、高サ二尺、胴の差し渡し一尺位で金属の肌の上に
卵色の無線の七宝が施されたもので、形は壺形をしている。その鮮麗さは目も覚めるばか....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
屋探険に出かけました。 襟の合せ目から燃えるような緋無垢の肌着をちらと覗かせ、
卵色の縮緬の着物に呉絽の羽織、雲斎織の袋足袋、大脇差、――ざっとこういう伊達な服....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
れだもの困っちまう、)と高慢なことをいいながら、背伸をして、西洋造の扉の上に、鶏
卵色の壁にかかった塗板を真直に懸直し、そのまま閉ってる扉を開けて、小腰を屈めて診....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
空間を置いて、相対した壁に洋銀のダブルベッドが備えつけられ、それには前面と裾とに
卵色の薄いカーテンが掛っている。天井も同じ絹布で張って、壁には網棚もある。平時は....