»
厘
「厘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ゃ、余計世の中が退屈になると云う事も知っているんだ。しかも僕は、その時に、九分九
厘まではあの女が嫉妬を焼く事を知っていたんだぜ。それでいて、手紙を書いたんだ。書....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
作用のことを思い出した。血の中に宿っている生命の熱は宮本の教えた法則通り、一分一
厘の狂いもなしに刻薄《こくはく》に線路へ伝わっている。そのまた生命は誰のでも好《....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
を募れり。 あるいは勇んで躍り込みたる白銅あり。あるいはしぶしぶ捨てられたる五
厘もあり。ここの一銭、かしこの二銭、積もりて十六銭五
厘とぞなりにける。 美人は....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
待合の入口を、叱られぬだけに塞いで、樹下石上の身の構え、電燈の花見る面色、九分九
厘に飲酒たり矣。 あれでは、我慢が仕切れまい、真砂町の井筒の許で、青葉落ち、枝....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
分に恵まれている。私達は愛の自己表現の動向を満足すべき有らゆる手段を持っている。
厘毛の利を争うことから神を創ることに至るまで、偽らずに内部の要求に耳を傾ける人ほ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
因果とのべつ釣をして、はだけていましょう、真にあぶなッかしい形でな。 渾名を一
厘土器と申すでござる。天窓の真中の兀工合が、宛然ですて――川端の一
厘土器――これ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
涙が出る。とその涙が甘いのです。餅か、団子か、お雪さんが待っていよう。 (一銭五
厘です。端書代が立替えになっておりますが。) (つい、あの、持って来ません。) ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
舎から十四で上京した時は、鍛冶町辺の金物屋へ小僧で子守に使われた。泥濘で、小銅五
厘を拾った事がある。小銅五
厘|也、交番へ届けると、このお捌きが面白い、「若、金鍔....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
たどんな旨い話があろうも知れない。ははは、まずまあ毎日汗みずくになって、お花は五
厘なんていって歩かないでも暮しのつくこッた。それに何さ、兄さんとかいう人に存分療....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の遠大なる意志の直接の行使者となるのである。此等の行使者があるから、そこに一分一
厘の誤差も生じないのである。神は一切の中心であっても、決して直接の行動者ではない....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の方へ寄った角に、浅草紙、束藁、懐炉灰、蚊遣香などの荒物、烟草も封印なしの一銭五
厘二銭玉、ぱいれっと、ひーろーぐらいな処を商う店がある、真中が抜裏の路地になって....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
れ、俺が寄席へ行くのを愚図々々吐しやがって、鉄さんだってお所帯持だ、心なくッて欠
厘でも贅な銭を使うものかい、地震除だあ、おたふくめ、」 「おや、それじゃあ地震よ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
てますか、山手じゃ、皆が火の玉の愛吉ッていいましてね、険難な野郎でさ。」 「三|
厘でもありさえすりゃ、中汲だろうが、焼酎だろうが、徳利の口へ杉箸を突込んで、ぐら....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
うのであります。二十歳から百円、三十五歳から百五十円と五十九歳までかけると五分五
厘の複利計算で二十六万有余円になるのであります。それを六十五歳からは三千五百円支....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
したことも思い出した。こういう時に投げる銭は今のように一銭銅貨ではない。大抵は五
厘か寛永通宝である。その又穴銭の中の文銭を集め、所謂「文銭の指環」を拵えたのも何....