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原物
「原物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「骨董」より 著者:幸田露伴
。 そこへ正賓は遣って来た。そして画を検査してから、「售れないなら售れないで、
原物を返してくれるべきに、狡いことをしては困る」というと、「飛んでもない、正しく....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かしく見せたものなのです。 「常々あ○○心|驕《おご》○て」 というあたりは、
原物のとおりだが……どうも巧みに作ったものです。これなら誰が見ても、御先祖の書き....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
に抜擢し、大佐相当官の礼遇を賜う事になった。苟くも事、朝鮮の産業に関する限り、米
原物産伯爵、浦上水産翁と雖も、一応は必ず、吾輩、轟技師に伺いを立てなければ、物を....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
。但しその新しき輸入当初に於ては、さすが尚《なお》西洋バタの臭《にお》いが強く、
原物そのままの直訳的のものであった。即ち人の知る如く、初期に於ける我が国の自然主....
「科学論」より 著者:戸坂潤
筋書きである*。 * 或いはもう少し真面目な批評はこうである。仮に認識が客観的な
原物の模写であり、この
原物と一致するコピーであるとしても、
原物とこのコピーとの一....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
解決に対するフィロロギーの唯一の寄与の仕方なのである。――だが飜訳は飜訳であって
原物ではない。未開・古代的・古典的な文書や言葉であっても、又同時代的な同一文化水....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
模写されるというのでは、あまり鮮かな譬喩にはならぬからである。模写というのは勿論
原物が鏡に像を写すことからの譬喩の言葉だった。併し少なくとも実在を予め全く内部的....
「辞典」より 著者:戸坂潤
た状態を云うのである。実在をかくありのままに捉えるという直接性を云い表わすべく、
原物が何物の介在をも許さずに直接に鏡面上に像を結ぶことで之を喩えたわけである。認....
「哲学入門」より 著者:三木清
心に直接に現われる唯一の対象であるとしたならば、いかにして我々は我々の観念とその
原物とを比較し、かくして我々の観念と物の実際との一致を確かめ得るであろうか。「心....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
室なり、他の山地なりへ移植を試みる努力をしたという話もきいたことがない。よしんば
原物の保存ができなくとも、今日は、後世にミイラを残す時代ではなく、昔のミイラを現....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
僕はここで、時処を超え、人情を超え、世相を毛色を超えて、一あって二あるべからざる
原物の異常な双生児として生を享《う》ける――そういう達人の訳業について語るのでは....
「翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
。 単色版的飜訳というのは、いうまでもなく野上豊一郎氏の提唱にかかるもので、「
原物の意味だけを理知的に伝える」ことだけで満足しようとする、いわば合理主義的な行....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
ザ」の複写を見たが、あれは恐らく、鴎外訳のアンデルセン『即興詩人』の場合よりも、
原物に近いさ(Echtheit)が高い。して見ると翻訳の文化的価値は、普通の複写....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
ない。鎌倉時代の修繕の際に構造をまで変えたといわれているから、全体の感じは恐らく
原物と異なっているのであろう。もっとも内部の柱や天井は天平のままだそうである。堂....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
交ぜるとようございますし、百合《ゆり》を煮て交ぜると大層美味しくなります」と一々
原物に就《つい》て教ゆるに妻君熱心に習いてその味を試み「なるほど良い風味ですね、....