原稿用紙[語句情報] »
原稿用紙
「原稿用紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原稿用紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
えても「昨日《さくじつ》」は滅多《めった》に考えない。しかし往来を歩いていたり、
原稿用紙に向っていたり、電車に乗っていたりする間《あいだ》にふと過去の一情景を鮮....
「星座」より 著者:有島武郎
。純次の机の上からつまらぬ雑誌類やくだらぬ玩具《がんぐ》じみたものを払いのけて、
原稿用紙に向った。純次はそのすぐそばで前後も知らず寝入っていた。丹前を着て、その....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
やはり社長は五厘切手一枚のことにも目の色をかえる男であった。昇給どころか、豹一が
原稿用紙を乱暴に無駄使いするので、口実さえつけば減俸してやりたいぐらいに思ってい....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
助かったのである。そして今もピンピンしている。ピンピンしているどころか、こうして
原稿用紙に向ってペンを動かしているのである。 あの失踪した患者というのは、実は....
「蠅」より 著者:海野十三
がした。ナニナニ。蠅が何かを咄して聴かせるって。 ではチョイト待ちたまえ。いま
原稿用紙とペンを持ってくるから……。 オヤ。どうしたというのだろう。持って来た....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
迚もそれではやりかねる。客が来れば煙草も出さねばならぬし、茶もわかさねばならず、
原稿用紙を買い、速達料を払い、炬燵を電気でやるなど、皆、新円にてするしかない。し....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
が悪いじゃないか。わしの人格にかかわる」 いつの間にか、私の背後から金博士が、
原稿用紙をのぞきこんでいたのを、私は知らなかった。 そこで私は、ペンを休ませな....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
探偵小説家の梅野十伍は、机の上に
原稿用紙を展べて、意気|甚だ銷沈していた。 棚の時計を見ると、指針は二時十五分....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
をおろした。椅子は蜥蜴の皮に近い、青いマロック皮の安楽椅子だった。僕は鞄をあけて
原稿用紙を出し、或短篇を続けようとした。けれどもインクをつけたペンはいつまでたっ....
「雨」より 著者:織田作之助
取りに走るだけの芸だった。何のことはないまるで子供の使いで、社内でも、おい子供、
原稿用紙だ、給仕、鉛筆削れと、はっきり給仕扱いでまるで目の廻わるほどこき扱われた....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
ず。然れども君の小説戯曲に敬意と愛とを有することは必しも人後に落ちざるべし。即ち
原稿用紙三枚の久保田万太郎論を草する所以なり。久保田君、幸いに首肯するや否や? ....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
。それはそうと……彼はベッドから跳上ると、五六歩進んでテーブルの前に行き、緑罫の
原稿用紙を一枚取ると、ぶっつけに、やや自棄気味にもなって、次のような題を書いた。....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
、自分からガヤガヤと賑かな雰囲気を作ってはしゃぎながら、新聞小説を書いていたが、
原稿用紙の上へ戻るときの眼は、ぞっとするくらい鋭かった。 書き終って、新聞社の....
「秋深き」より 著者:織田作之助
枕元と襖の間が広すぎるようだった。ふだん枕元に、スタンドや灰皿や紅茶茶碗や書物、
原稿用紙などをごてごてと一杯散らかして、本箱や机や火鉢などに取りかこまれた蒲団の....
「経験派」より 著者:織田作之助
はずの財布がちゃんと、のっている。持って出るのをうっかり忘れていたのだ。 彼は
原稿用紙の第一行に書かれている「掏摸の話」という題を消して、おもむろに、 「あわ....