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「原色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

原色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
願をすることになった。読経の合間合間に経輪がまわっている。むせっぽい香煙や装飾の原色。だんだんケティは眩暈《めまい》のようなものを感じてきた。すうっと、目のまえ....
食魔」より 著者:岡本かの子
色の瓦屋根も、黄土色の壁も、トンネルの紅色の煉瓦も、燻されまた晒されて、すっかり原色を失い、これを舌の風味にしたなら裸麦で作った黒パンの感じだと鼈四郎はいつも思....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れだったのです。ところで、点描法の理論を御存じでしょうか。色と色を混ぜる代りに、原色の細かい線や点を交互に列べて、それをある一定の距離を隔てて眺めさせると、始め....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
班という階級の娘の嫁に行く夜を見たという人の話にはこんなことがある。赤、青、黄の原色美しい綾衣に、人形のように飾り立てられた彼女は、そこに生けるものとは思われな....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
抱えて戻ってきた。椅子の上で、そのページを繰った。セザンヌの「カルタを取る人」の原色版印刷が出て来た。それと、壁にかかっている画面とを見較べると、いよいよ相違が....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
飛行島の欠陥? 飛行島の夜は明けはなれた。 熱帯地方の海は、毎日同じ原色版の絵ハガキを見るような晴天がつづく。今日も朝から、空は紺碧に澄み、海面は油....
入梅」より 著者:久坂葉子
に出ていた。というのは、私の友人で京都に住む人が、私の製作の材料に南蛮絵ざらさの原色版を貸しましょうかと云って寄越してくれたが、私は送ってもらう暇も惜しく、作衛....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
原で、石と石との間には草が生えている。セガンチニは、すべてそういうものをば種々の原色の顔料で、一筆一筆に盛りあげている。その丹念に拠って、絵に静さと厚みとが出来....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
それは又、衣子の坐る地盤、石塚家という一つの性格に就てもそうであり、正一郎という原色さながらの我慾、リンショク、その素裸の慾念にむしろ原始ならぬ何か歴史を感ぜず....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
アイに始末をしている人夫たち、それが焼け跡の天真ランマンな風景であった。まったく原色的な一つの健康すら感じさせる痴呆的風景で、しみる太陽の光の下で、死んだものと....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の必然の相を身につけて、げにうるわしく破綻がない。特にダブルという洋服をきて、単原色のネクタイをクビにはためかす青年紳士は三年前にアロハをきていた人たちである。....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
少の感受性は神楽というもののチャームを把握した。それはあの古事記の中に満ちている原色的な、疲れを知らぬ神秘な生命感と合調するものであった。 私は酔ったようにな....
夜の構図」より 著者:織田作之助
、人間のすることは結局大同小異五十歩百歩の紋切型で、赤、黄、青、紫、黒、白などの原色とその組み合わせがあるだけで、異色などというものはあり得ないということになる....
翻訳のむずかしさ」より 著者:神西清
その一例が、単色版式飜訳という方法だ。 それを一口にいうと、飜訳者は模写だとか原色版だとか何だとかいう身の程知らずな野心を起《おこ》さずに、写真屋の役割で満足....
色盲検査表の話」より 著者:石原忍
グ氏は調査の結果を報告して、色神の国際的検査法としてスチルリング氏仮性同色表・石原色盲検査表及びナーゲル氏アノマロスコープを採用すべきことを提議しました。その報....