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「厭らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厭らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
も越も隔てなく口を利いて巧く纏める。従うて諸家の閨門に出入すること頻繁にして時々厭らしい! と云う風説を聞く。その袖を曳いたり、手を握ったりするのが、いわゆる男....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
は云った。「何んと恐ろしい顔ではないか」 「恐ろしいお顔でございます」 「何んと厭らしい顔ではないか」 「厭らしいお顔でございます」 「これでは女房も裏切る筈だ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
にしては、どんな人間でも引き付けられますて。現に」と云うと集五郎は、好色漢らしい厭らしい、不快な笑いを浮かべたが「現に」ともう一度、繰り返した。「拙者においても....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
分りません。―― といった場処で。――しかし、昨年――今度の漂流物は、そんな可厭らしいものではないので。……青竹の中には、何ともたとえがたない、美しい女像があ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ありませんか。私が貴下ならもう、一も二もないけれど……山の中は不可ませんか、お可厭らしいのねえ。) と歎息をされたのには、私もと胸を吐きました。……」 ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は私の所へもそんなのが持ち込まれることもあります。でも私としては、全然そう言った厭らしい祈願にはかかり合わないことにして居ります。呪咀が利く神は、あれは又別で、....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
す」 「浪江殿に負けずに美しいというのか。ふうむ、それは素晴らしいの」と弦四郎は厭らしい笑い方をしたが、 「全く浪江殿はお美しい。ちょっと都にもなさそうだ」 「....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
して来ていて、眼の窪んだ、鼻の尖った、頬骨の立った悪相の持主の、勘兵衛という男を厭らしい存在として、照らし出してはいるのであった。 「昨日まではこの小屋に出てい....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
の白金だと」 「いいえ」と彼女は笑いながら云った。 「あのユダという人間が、一番厭らしい顔付きでしょう、それで妾売ったのよ」 「なるほど」と私は胸に落ちた。 「....
剣侠」より 著者:国枝史郎
どうなとなれ、どうなろうとままよ) 観念せざるを得ないではないか。 (が、この厭らしい馬飼の長に躰を穢される時節が来たら、舌噛み切って妾は死ぬ!) こう決心....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
出たのだった。 そこは、幅約半マイルほどの、おそろしい死の沼だ。水面は、みるも厭らしいくらい黄色をした、鉱物質の滓が瘡蓋のように覆い、じつは睡蓮はおろか一草だ....
深川女房」より 著者:小栗風葉
がなかったんだろう! いや、こうなって見るとちと面目ねえ、亭主持ちとは知らずに小厭らしいことを聞かせて。お光さん、どうか悪く思わねえでね、これはこの場|限り水に....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
も、悪い生活だ。……それは実に悪生活だ!」 ポカンと眼を開けて無意味に踊り子の厭らしい踊りに見恍れていた彼は、彼等の出て行く後姿を見遣りながら、斯うまた自分に....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
でぬるぬると引込んで、鼠の鼻ッさきが挟ったようになって消えたがね。奴等の、あの可厭らしい目だの、舌の色が見えるほど、球一つ……お嬢さんは電燈を驕っていてくれたん....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
する、水っ洟はかむ。笊の中は掻きまわす。嗅いで見る。おくびはする。穢ならしいの、厭らしいのといったらないのだ。淫猥とも俗悪とも、それがその悪達者なだけにとても見....