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厭世
「厭世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厭世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
テェニュのごときは予が畏友《いゆう》の一人《いちにん》なり。ただ予は自殺せざりし
厭世《えんせい》主義者、――ショオペンハウエルの輩《はい》とは交際せず。
問 ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
論に勝つよりも手軽である。
我我は互に憐まなければならぬ。ショオペンハウエルの
厭世観《えんせいかん》の我我に与えた教訓もこう云うことではなかったであろうか?
....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ろの千載青史に列するを得んというこの欲望が大分なくなってきました。それで何となく
厭世的《えんせいてき》の考えが起ってきた。すなわち人間が千載青史に列するを得んと....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
暗い影を投げていた。彼はいつか彼等の中に人生全体さえ感じ出した。しかし年月はこの
厭世主義者をいつか部内でも評判の善い海軍少将の一人に数えはじめた。彼は揮毫を勧め....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た時に、はたして彼の推測が適中していたのを知った。何故なら、その瞬間、あの憂鬱な
厭世家めいたレヴェズの視線――それには異様な情熱が罩もり、まるで野獣のように、荒....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
っそ、猩々のような教授然としたやつか、黒猩々みたいな社交家ならいいがね、どうも、
厭世主義者とか懐疑主義者というやつは、猟師にはいちばん扱いにくいんだよ。しかし、....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
保証がつくなら、今、直ぐにでも、首くくって死んでしまいたい。」 「君は、元から、
厭世家であったが、なかなか直らないと見える。然し、君、戦争は
厭世の極致だよ。世の....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
の思想が高遠であるだけそれだけ西洋人の宗教概念とは相容れず、うっかりすれば単なる
厭世教に取られそうな気配いさえ見ゆるのに危険を覚えて慎しみを持つようになって居た....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
てから、芸術の真実に生きてゆく道に思い悩んで、一体地位や名誉がなんになるのかと、
厭世の念にとらわれ、自分の進んでいる道が正しいのか正しくないのかさえ判らず思い悩....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
に、警察官立会の上開封した。それはA市にある家庭に宛てたもので、商売上の失敗から
厭世自殺をする旨の遺書で、その自殺の方法として、飛行機から飛び降りる事を択んだと....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
何んだか世の中が面白くなくって困った。あの年頃の青年に有勝ちの、妙な神経衰弱的|
厭世観に捕われていたのであろう。その前の年までは盛に山を歩いていたのだが、この夏....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
決して片寄った観方をしない。稀れに傾向の著るしい作家があって、虚無主義に立ったり
厭世主義に立ったり若しくは享楽主義に立ったりしても、其処にはそれ/″\固い信念と....
「机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
にも働いているような人々が、五十以上の人にも多いのを知ると、昔の人の言った、この
厭世的な見解は誤っていたということを知るのであります。そして、自分も、これからだ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
らせて帰りました。医者の娘ですし、薬の事など相当に心得てはいますが、原因もなく、
厭世自殺などするような女では断じてありませんが、虚名を売っているために相当敵はあ....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
、一時、傍の目には気が変になったのではないかと気遣われたほどで、御自分もすっかり
厭世家になってしまって、この世に何の望みもなくなったと云っていました。 夫人は....