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「厭味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厭味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
真面目《まじめ》な調子を帯びていたのに気がついた。と同時に真面目なだけ、それだけ厭味なのを恥しく思った。 「そんな事を。」 辰子はすぐに眼を伏せたが、やがて俊....
片信」より 著者:有島武郎
るいは『新興階級者に……ならしてもらおうとも思わない』といったりする……女性的な厭味《いやみ》」と堺氏の言った言葉を僕自身としては返上したくなる。 次に堺氏が....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ど人目を計らって気ぼねを折ってくる様な風で、いつきても少しも落着かない。先に僕に厭味《いやみ》を云われたから仕方なしにくるかとも思われたが、それは間違っていた。....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ん強くなってきた。 警抜なる挙措、愛すべき図々しさ。なんという、スッキリとした厭味のないやつだろう。しかし、この男が何者かということは、ほぼ彼に想像がついてい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
また、あの目で笑って、お小遣いはあるの? とは冷評しても、どこかへ連れられるのを厭味らしく考えるような間ではないに、ぬかったことをしたよ。 なぞと取留めもなく....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
三階へ案内した。――十畳敷。……柱も天井も丈夫造りで、床の間の誂えにもいささかの厭味がない、玄関つきとは似もつかない、しっかりした屋台である。 敷蒲団の綿も暖....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
質に入れて使ってしまって、催促される、苦しまぎれに、不断、何だか私にね、坊さんが厭味らしい目つきをするのを知っていて、まあ大それた美人局だわね。 私が弱いもん....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の背後から呼んだ、しかしこれは、前に黄な声を発して雀海中に入ってを云々したごとき厭味なものではない。清しい活溌なものであった。 婦人は屹と其方を見る、トまた悪....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、言いようがないから、 (荒い風にもお当りなさらない。) とヘマを言って、ああ厭味だと思って、冷汗を掻いた処を、 (お人が悪いよ、子持だと思って、) これに....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
後に下げ、足には分厚の草履を突かっけ、すべてがいかにも無造作で、どこをさがしても厭味のないのが、むしろ不思議な位でございました。 兎に角日頃ただ一人山の中に閉....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
入るまいとか、ろくな月給も貰わない安官員では士族のお嬢さまと縁組は出来まいとか、厭味らしいことをだんだんに言い出して来たので、お筆もひどく迷惑したらしい様子で、....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
は入るまいとか、碌な月給も貰わない安官員では士族のお嬢さまと縁組は出来まいとか、厭味らしいことをだんだんに言い出して来たので、お筆もひどく迷惑したらしい様子で、....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
袖を、居寄って振袖の紫に敷いて熟と瞻たのであったが、 「せめて、移り香を。」 「厭味たらしい、およしなさい、柄にもない。……じゃあ私も気障をしてよ。」 するり....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
のように横柄で鼻持がならなかったり、或時は女に振棄てられた色男のように愚痴ッぽく厭味であったりした。緑雨が世間からも重く見られず、自らも世間の毀誉褒貶に頓着しな....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
が在来の文章型を破った独創の貴とさである。美妙のは花やかにコッテリして故とらしい厭味のある欧文の模倣に充ちていた。丁度油をコテコテ塗って鬘のように美くしく結上げ....