» 厳さ

「厳さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厳さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ばならないような場面がないではなかったけれども、終わりのほうに近づいて行っての荘厳さは見物人のすべてを捕捉《ほそく》してしまいました。ウェルシ嬢の演じた女主人公....
星女郎」より 著者:泉鏡花
」 と緒を手首に、可恐い顔は俯向けに、ぶらりと膝に飜ったが、鉄で鋳たらしいその厳さ。逞ましい漢の手にもずしりとする。 「お驚きでございましたろうで、恐縮でござ....
無表情の表情」より 著者:上村松園
る感銘はいろいろです。単なる動作や進退の妙というだけのものではなく、衣裳の古雅荘厳さや、肉声、器声の音律や、歴史、伝説、追憶、回想、そういうものが舞う人の妙技と....
余齢初旅」より 著者:上村松園
かった。 寺にはむろん仏像が祀ってあった。けれども日本の仏像にみられるような尊厳さ、有難味というものがない。それに塗ったのか貼ったのかは知らぬが仏像の金の色で....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
は、兄だから、弟だから仕方がない、見逃そうとする安っぽい態度。真面目に忠告する謹厳さを欠いて不断のなれなれしい気持ちでからかって見たりすることが多いです。兄弟は....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、当時の天台座主であった大僧正慈円の歌にも見られるところではあるが、その気品の森厳さはやはり桁がちがうのである。帝王体はやはり臣家体とはちがうのであった。それだ....
女優の親」より 著者:岸田国士
からである。 俳優という職業が今まで誤解されたり、また実際に職業の持つている尊厳さというものが歪められたりしたのは、俳優という職業が持つている本質的な一種の弱....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
鰌の精霊は、品の低いともがらにはすくえない。 月の光を切々とすくう鰌すくいの端厳さはかつての鏡花散人も見たものだ。 それに、何ぞや、この日の丸は、黒んぼは。....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
険好きの者はいなかった。この頃は幕府も末の末で、有司の威令は行なわれず、将軍の威厳さえほとんど傾き、市中は文字通り無警察で、白昼切取強盗さえあった。 そこで、....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
本当に危なかったわ。正勝! これからは気をつけないと駄目よ」 紀久子は女王の冷厳さをもって言った。 「ほいやっ、しっ!」 正勝は鞭を振り上げて馬を追った。 ....
地上」より 著者:島田清次郎
に浅黄色の品川の海が湛えられている。そして黄金色の春の光が靄を破って輝いて出る荘厳さ! 夜寝るのが遅くなって眠くてたまらない朝は彼は客室の長椅子の柔らかいクッシ....
人の首」より 著者:高村光太郎
電車の中に立っていて、眼の下にそういう一人の老人の首すじを見る時、老年のさびと荘厳さとを身にしみて感ずる。 鼻と口との関係は人の本性を一番多く物語る。鼻の下で....
男女同権」より 著者:太宰治
ます。おいらんの中でも、あれは少し位の高いほうだったのかも知れません、ちょっと威厳さえ持っていました。そうして婆に言いつけて、私の連れの職工とその相手のおいらん....
さようなら」より 著者:田中英光
たと実感する故、生理的|厭悪感《えんおかん》でそうした事実に目をふさぎ、生命の尊厳さや愛する人たちへの責任感をしきりに忠告する自分の理性も無視し、一刻も早く、こ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いる他の修道院に関してであった)。それは長老があまり尊敬されすぎて、修道院長の威厳さえそこなうほどに至った、とりわけ長老は懺悔の神秘を濫用するなどということであ....