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「厳つい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厳ついの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
味に、仰臥している。 年のころは五十四、五で、ブリアン型の髭さえなければ、余程厳つい顔立であろうが、その半ば口を開いた死相を見ると、ただただ安らかな眠という外....
縮図」より 著者:徳田秋声
たが、彼は五十五六の年輩の、硬い口髯も頭髪も三分通り銀灰色で、骨格のがっちりした厳つい紳士であった。 「先生も春早々東京へお出掛けかね。」 主人夫婦は座席を離....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
タアとか、童話趣味の装飾も彼女らしい好みであったが、奥の一部屋だけは、不釣合いに厳つい床や袋|戸棚などちょっと擬ったところがあった。 「さあどうぞ。」 葉子は....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
打った冑、金襴で錏がわりに装飾った投頭巾、輪頭形の冑の頂上に、雄猛子の鬚をつけた厳つい冠ものを冠った方は数多く見えましたが、桂の冠をかむった方は一人もお見えなさ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
い威風堂々とした朱面の持主である。タゴールそっくりといっていい。いや、それよりも厳ついかも知れぬ。それが白い麻の支那服を著て、一等の談話室の、ラジオの黒い喇叭が....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
が口紅|濃やかな御達等の面影を偲ばせている。其中に転がって見たいようだ。此日頃|厳つい偃松の枝や荒い山上の風にのみ撫でられ晒されて、骨の髄までサラサラに荒け切っ....