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厳戒
「厳戒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厳戒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
、海陸より鹿児島を攻むるにありとした。更に地方の騒乱を防ぐ為に、各鎮圧をして連絡
厳戒せしむる事にした。以上が山県の策戦であるが、山県の想定に対して、薩軍はその第....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
右に三人ずつ引き添って――さながら、主君石川左近将監その人が、道中しているような
厳戒ぶりだ。 左膳は?……と見ると、遠く海のむこうを見ているような片眼。左手を....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
なんという堅い陣形であろう。海面、海底、空中の三方面に対し、いささかも抜目のない
厳戒ぶりであった。さすがにこれこそ世界一の海軍国として、古き伝統を誇る英国艦隊の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
には逢わない。こんな、近東人らしい婦人と接近などした日には、ますます彼の周囲には
厳戒が加えられ、厭な日々が続かなくてはならないからだ。実際「大地軸孔」参加発表以....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
からクイリナアレ庁へ出かけているのですが、その出入は、数度の奇襲に懲りて、じつに
厳戒を極めています。毎日、彼の自動車と、往復の通路とをいろいろに取り換えて、眼に....
「魔像」より 著者:林不忘
つのしわざ?――何やつとは、勿論《もとより》、きゃつのしわざに決っておるが、この
厳戒の当屋敷へ、しかもこの集会の最中、一体どこから忍び込んで、そして今は、そもど....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
戒をする事にした。ジルベールとボーシュレーとの身辺には昼夜の別なく巡査と看守とが
厳戒して一分時でも目を放たなかった。 当時ルパンは、まだ刑事課長の椅子を占めて....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
を飾るべき時の警視総監三島|通庸は遺憾なく鉄腕を発揮して蟻の這う隙間もないまでに
厳戒し、帝都の志士論客を小犬を追払うように一掃した。その時最も痛快なる芝居を打っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
て黙然と、帳の陰へかくれたきり姿も見せなかった。 徐庶も、慚愧に打たれて、母の
厳戒を心に噛み、自身の不覚を悔い悩んで、ともに泣き伏したまま悩乱の面も上げずうっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
諸軍に下知して、「いかに敵が挑んできても、固く陣門を閉ざして、相手に出るな」と、
厳戒した。 城兵は以来ふたたび城中に戻って、いよいよ勢いを示し、中でも曹仁の部....
「三国志」より 著者:吉川英治
それはもう聞いておる。擬兵の計であろう。令なきうちは、みだりに動くなと、舟手へも
厳戒しておけよ」 次にまた一報があった。 「呉軍の一部が、東へ東へと、移動して....
「三国志」より 著者:吉川英治
喰らってとうに魏の国へ逃げ失せていた。 孔明は、百官を正し、蒋※などの大官にも
厳戒を加え、ふたたび意気をあらためて、漢中へ向った。 連年の出師に兵のつかれも....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ったのは、一輛の女車と、それをつつむ、ゆゆしい上達部のひと群れだった。 宮門の
厳戒なればと畏んで、中のひとりが、 「これは、中宮のお実家方に、俄な御病人が出来....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
定してある僧尼は、必ず寺院に住するということが一つの条件であった。元正天皇の行基
厳戒の詔にも、僧尼は寺家に寂居して、教えを受け道を伝うとある。前に述べた如く彼ら....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
衛門の家も、まぬがれなかった。家族みなが、共にかたい禁足である。どんな恋も、この
厳戒の眼と、この鉄扉は破り得なかった。 この期間――閉門一年四ヵ月のあいだに―....