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「厳重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厳重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
童の恋愛を論じ合いました。 「なぜ政府は雌の河童が雄の河童を追いかけるのをもっと厳重に取り締まらないのです?」 「それは一つには官吏の中に雌の河童の少ないためで....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
を廃したのもそのためである。長靴をはいたのもそのためである。浴室の窓や戸じまりを厳重にしたのもそのためである。しかし彼はそれでもなお絶えず不安を感じていた。また....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
ゃいざと云う時まで伏せて置こう。どうもさっきからの話じゃ、あの婆め、君のまわりへ厳重に網を張っているらしいから、うっかりした事は云わない方が好さそうだ。実は第一....
或る女」より 著者:有島武郎
ってさえいるように見えるその母が、この事件に対して嫉妬《しっと》とも思われるほど厳重な故障を持ち出したのは、不思議でないというべき境《さかい》を通り越していた。....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
う者が出て来た。 犯人の捜索は極めて秘密に、同時にこんな田舎《いなか》にしては厳重に行われた。場主の松川は少からざる懸賞までした。しかし手がかりは皆目《かいも....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、手も着けないで、坂田氏の盗られた金子を持っていたんだ。 ねえ、貴娘。拘引して厳重に検べたんだね。どこへそれまで隠して置いたか。先刻は無かった紙入を、という事....
悠々荘」より 著者:芥川竜之介
」 僕等はそんなことを話しながら、幾つかの硝子窓を覗いて歩いた。窓かけはどれも厳重に「悠々荘」の内部を隠していた。が、ちょうど南に向いた硝子窓の框の上には薬壜....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
うな原始的な立場をとうに脱却していたであろうと考えられる。しかし彼らはこの知識を厳重にただ自分らの階級の間にのみ保留し、それによって奴隷的な民衆に対する彼らの偉....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
じゃ無えと思った。乙う小ましゃっくれてけっからあ。 何をして居た、旧来は。 と厳重な調子で開き直って来た。私は、ヴォルガ河で船乗りの生活をして、其の間に字を読....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
あんぺら帽子を阿弥陀かぶり、縞の襯衣の大膚脱、赤い団扇を帯にさして、手甲、甲掛厳重に、荷をかついで続くは亭主。 店から呼んだ姥の声に、女房がちょっと会釈する....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
う短刀で怪我でもして、病院へ入ったのかい。」 「いいえ、それはもう、家中で要害が厳重よ。寝る時分には、切れものという切れものは、そっくり一つ所へ蔵って、錠をおろ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
われた。 いささか心も落着いて、カチンとせんを、カタカタとさるを抜いた、戸締り厳重な雨戸を一枚。半ば戸袋へするりと開けると、雪ならぬ夜の白砂、広庭一面、薄雲の....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
堂の戸は開けっぱなしで(open)寛大にして置くが、実験室の戸は出入がやかましく厳重である(closed)」と言った。これは酷評ではあるが、その通りである。 ....
活人形」より 著者:泉鏡花
と鉄の棒の長さ一尺ばかりにて握太きを小脇に隠し、勝手口より立出しが、この家は用心厳重にて、つい近所への出入にも、鎖を下す掟とかや。心|急きたる折ながら、八蔵は腰....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
は堺利彦、徳田球一、小岩井浄、田所輝明など第一次共産党事件関係者などもいて警戒は厳重、看守の態度もきわめて非人間的であった。 私はトコトンまで追い詰められて、....