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去
「去〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
去の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
った。それから二更《にこう》の鐘が鳴った。二人は露に濡れながら、まだ寺のほとりを
去らずにいた。
が、兵衛はいつまで経っても、ついに姿を現さなかった。
....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
を感じると、内蔵助の心には、安らかな満足の情が、今更のようにあふれて来た。丁度、
去年の極月《ごくげつ》十五日に、亡君の讐《あだ》を復して、泉岳寺《せんがくじ》へ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
狂のためと解釈するのは馬の脚のためと解釈するのよりも容易だったのに違いない。難を
去って易《い》につくのは常に天下の公道である。この公道を代表する「順天時報」の主....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
の東京から聟《むこ》に来たことは耳にしていた。のみならず家附《いえつき》の細君は
去年の夏とかに男を拵《こしら》えて家出したことも耳にしていた。
「魚《さかな》の....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
去年の春の夜《よ》、――と云ってもまだ風の寒い、月の冴《さ》えた夜《よる》の九時....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
婆さんは益疑わしそうに、日本人の容子を窺っていました。 「私の主人の御嬢さんが、
去年の春|行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 日本人は一....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
してくれるし、よしんば悪い所を出しても同情してくれそうな心もちがする。又実際、過
去の記憶に照して見ても、そうでなかった事は一度もない。唯、この弟たるべき自分が、....
「墓」より 著者:秋田滋
え失せてしまうのです。ああ、考えてもみて下さい。そのひとはただあなたの前から消え
去るばかりではなく、永久にこの地上からその姿を消してしまうのです、つまり、死んで....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
が物にする、限りない幸福に一切のものを忘れさしてしまうのだ。 こうした遠く過ぎ
去った旧い愛の文を私は手に一ぱいつかみ、私はそれを愛撫した。そして、思い出に今は....
「初雪」より 著者:秋田滋
ようなことをして暮してしまった。こうして、まる一週間というものは、夢のように過ぎ
去った。 それから、彼女は家のなかを片づけ出した。これがたッぷり一月かかった。....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
かすほどの大功業を建てるか、天下第一の大学者とならんと一詩をのこして新潟の学校を
去り在所にかえりて伯父に出京の事を語りしに、伯父は眉を顰め、「東京にて勉学の事は....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
椅子にかかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に眠るがごとくにこの世を
去り、静かに墓地に葬られた頃になると、落涙を禁じ得ない。 前編に大体の伝記を述....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ったのです。あなた以外の者に自分のああしたすがたを見つけられたくありませんので、
去年、僕があなたを恋していると申し上げた、庭のあの場所まで来て、うえを見て下さい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の戦場に馬を駆り、頭をさがすのである。亡霊が夜半の疾風のように速くこの窪地を通り
去るのは、刻限におくれたために、大いそぎで夜明け前に墓場へ帰ろうとしているのだと....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
彼は高等法院長として、清廉な法官として世を
去った。非の打ちどころのないその生涯は、フランス中の裁判所の評判になった。弁護士....