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「去歳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

去歳の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
は皆若かった。あの敏感な市川が我と我身の青春に堪《た》えないかのように、「されど去歳《こぞ》の雪やいづこに」と吟誦《ぎんしょう》して聞かせた時の声はまだ岸本の耳....
風流仏」より 著者:幸田露伴
我は薄暗き部屋の中、煤びたれども天井の下、赤くはなりてもまだ破れぬ畳の上に坐し、去歳の春すが漏したるか怪しき汚染は滝の糸を乱して画襖の李白の頭に濺げど、たて付よ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
、四辺は薄暗くなっていた。 山神の石の祠、苔に蒸し、清水の湧出る御手洗池には、去歳の落葉が底に積って、蠑※の這うのが手近くも見えた。 萱や、芒や、桔梗や、小....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
水晶製の眼鏡の価|貴きをも厭はで此彼と多く購ひ求めて掛替々々凌ぐものから(中略、去歳庚子即ち天保十一年の)夏に至りては只朦々朧々として細字を書く事|得ならねば其....
妖怪学」より 著者:井上円了
とき詩を夢中に得たりとて報知せられたり。 塵事堆中日月移 秋来未有一篇詩 却思去歳○○○ 載酒孤舟棹月時 (塵事堆中日月移る 秋きたりいまだ一編の詩....
日和下駄」より 著者:永井荷風
を表現し得たる点において小林翁の風景版画は甚だ価値ある美術といわねばならぬ。既に去歳《きょさい》木下杢太郎《きのしたもくたろう》氏は『芸術』第二号において小林翁....
将来の日本」より 著者:田口卯吉
西に帰り、信書しばしば至る。書中雅意|掬すべし。往時弁論|桿闔の人に似ざるなり。去歳の春、始めて一書を著わし、題して『十九世紀の青年及び教育』という。これを朋友....