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「参ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

参ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
なり目にあまるほどの振舞いが見えてきた。またそれだけに彼の門を叩きその幕下に馳せ参ずる者も増加し、その方面では凄い信望があるという人物だった。そのような人物がこ....
我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
コードに囚わるること勿れ、融通無碍しかも確固たる信念を失うこと勿れ。馬券の奥堂に参ずるは、なお剣、棋の秘奥を修めんとするが如く至難である。 一、一日に、一鞍か二....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
の城下に於てさえ、向背の議論が生ずる有様で、ついに池辺吉十郎等千余人、薩軍に馳せ参ずることになった。 私学校の変に次いで、西郷|起つとの報が東京に達すると、政....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
て居る。佐野佐衛門氏綱の軍忠状に依ると、合戦の日の五日の日にまで、敵には続々馳せ参ずる兵があったと云う。此の敵に対し堂々の陣を張る事が不得策であるのは、明瞭であ....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
、畢竟苦の牢獄です。しかし、一たび、心眼を開いて、因縁の真理に徹し、無我の天地に参ずるならば、厭うべき煩悩もなければ、捨てるべき無明もありませぬ。「渋柿の渋がそ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
鎌倉殿をはじめ、客分として、県の顕官、勲位の人々が、杯を置いて籠った。――雨乞に参ずるのに、杯をめぐらすという故実は聞かぬが、しかし事実である。 伶人の奏楽一....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
宗教と神学と形而上学と神秘思想と等々であったのである。処が文芸復興の旗の下に馳せ参ずるように見えた評論家の或る者達は、復興されるべき文芸の内に、「文学」は無論と....
社会時評」より 著者:戸坂潤
害感情によって家庭的淳風を馴致している。「わが君様」の身辺にはお家の一大事に馳せ参ずる多数の内臣外臣が控えており、わが君様の教授会に於ける器量の如何によって、又....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いました。道庵先生の如きは興味を以てこの貧窮組に賛成をしたけれども、貧窮組に馳せ参ずるもののすべてが、道庵先生の如き無邪気な煽動者《せんどうしゃ》ばかりではあり....
織田信長」より 著者:坂口安吾
に参じる道でもある。ついにアリョーシャの人格を創造したドストエフスキーは、そこに参ずる通路には、悪党だけしか書くことができなかったではないか。 老蝮の弾正も、....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ころがあったのではなかろうか。 天稟の美しい情緒を花袋はもっている。それを禅に参ずる居士が懐くような自負心で掩うている。実際のところ、かれの情緒はその自負心に....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
で創られて、ひとつの神の属性を成し、異なりたる音色をもって共に天のシンフォニイに参ずるものと信じます。違った特色を発揮しましょう。そして互いにそれを認めて尊敬し....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
芝居として彼を侮蔑していた。 それでも彼の成功を見て、その風を望んで麾下に馳せ参ずる者もあった。別に一派を起こそうとする者もあらわれて来た。それと同時に、川上....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ことあり。例えば外国布教費徴集のため、一定の日に某寺院をかりて説教会を開き、当日参ずるものは志に応じて多少の金を寄付し、その席にて集むる金はすべて布教会に収納す....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
て見えるようなものである。承ける方には、それを身につけることによって一流の文化に参ずるという仰望の満足がある。授ける方には最高の文化伝統は我が手にあるといった満....