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参事官
「参事官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参事官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
腰を掛ける。双眼鏡を肩に掛け、白いしなやかな手を振って、柔かな靴音をさせる紳士は
参事官でした。俄然《にわかに》、喇叭《らっぱ》の音が谿底《たにそこ》から起る。次....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
琴が鳴る、唱歌を唄う――この人数へ、もう一組。菅子の妹の辰子というのが、福井県の
参事官へ去年の秋縁着いてもう児が出来た。その一組が当河野家へ来揃うと、この時だけ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
を歩き廻ったが、今でも私の眼についているのは長野の方から知事に随いて来た背の高い
参事官だ。白いしなやかな手を振って、柔かな靴音をさせる紳士だった。それで居て動作....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ムリヌウに馳《は》せつけたが、何事もなかったと。今の所、アピア市には、事なし。市
参事官に尋ねたが、情報なしという。 街から西の渡し場迄行って、マターファ側の村....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
駄じゃ。わしが馘になるだけではなく、大使自身も馘になるのだ。大使ばかりではない。
参事官も書記生も語学将校も園丁もコックも、みんな馘になるのじゃ」 「はて、それは....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
この出来るほど聞いていますよ。あの女のいうところに従えば、その御亭主は、大使館|
参事官で、そして世界一の美男子だそうです」 「大使館
参事官?」 「どうも、あてに....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
いる。 先生の履歴について町の人はくわしく知らなかった、ある人はかつて文部省の
参事官であったといい、ある人は地方の長官であったといい、ある人はまた馬賊の頭目で....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
いうのである。だがそれに代る代案はまだ具体的にはなっていないらしい。――谷大使館
参事官は現地案を携えて上京、外務当局や陸軍省と折衝しているが、大体外務省案付近に....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
なって、これは今日に至るまで継続して勤めている。 そこで文部省の方では廿三年に
参事官に任しなお普通学務局の方も兼任していたが、その以前から私は精神衰弱とでもい....
「まじょりか皿」より 著者:寺田寅彦
噂になる。それから昔の同級生の噂になる。福見や河野が洋行する話や、桜井が内務省の
参事官で幅を利かせているような話が出ると竹村君は気の乗らぬ返辞をしてふっと話題を....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
の時代にくらべては、くらべものにならないほどよかったと主張しました。じっさい司法
参事官のクナップ氏などは、この主張にとても熱心で、さっそく主人役の奥さんを身方に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
者代弁人すなわち聖者の請願師、これは列聖事務に関係あることで、ほとんど天国区隊の
参事官ともいうべき意味である。終わりにふたりの枢機官、リュゼルヌ氏とクレルモン・....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
のが見えた丈だ。 山の主任が立上って、内務省から派遣された大河内《おおこうち》
参事官を紹介し、何か不平でも希望でもあらば申立てる様仰せられたから、其旨申伝える....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
。 五 チャーミングさんは、森川夫人の妹の房枝《ふさえ》さんが、外務
参事官のお父さんと巴里《パリー》に住んでいたころの愛人だった。 チャーミングさ....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
廻った。そして誰かと挨拶を交すや否や、もうアーニャの耳に囁くのであった、「あれは
参事官だよ。……閣下の気受けは……」とか或いは、「なかなかの財産家だよ。……家作....