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又候
「又候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
又候の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
す。それじゃもうようございます。あなたをこんなにおそくまでお引きとめしておいて、
又候《またぞろ》めんどうなお願いをしようとするなんてわたしもどうかしていましたわ....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ます/\」 文「弱い奴だなア、改心するなどと申して此の場を逃延《にげの》びて、
又候《またぞろ》性懲《しょうこ》りもなく悪事をした事が文治郎の耳に入れば助ける奴....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ら」と藤原へ言って、「どうぞ私の室まで」とメーツらに目くばせをして、彼は船長室へ
又候《またぞろ》はいって行った。メーツらは続いた。 「波田ってやつあ、どえらいや....
「蠅男」より 著者:海野十三
普通の人間とちがい、勝れた智能をもった蠅男のことだから、いついかなる手をもちいて
又候暴逆の挙に出てくるか分らない。だから結局、蠅男を完全に逮捕してしまわないうち....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
程、鐵ウもっと前へ出ろ、大変な話になって来た」 向座敷で手をぽん/\と打つと、
又候下女がまいって、 下婢「皆さんお静かになすって、なるたけわア/\云わねえよう....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
れでも強者の歯をのがれぬ場合がある。最早懲りたろうと思うて居ると、今度出る時は、
又候跟いて来る。而して往復途中の出来事はよく/\頭に残ると見えて、帰ったあとで樫....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
すっかり濡れた足袋をはいてかえって、ゆたんぷ入れていくらか暖めて眠りかけながら
又候《またぞろ》あれこれ御思案中をやっていたらばね、私ったら狡いわねえ、ふっとこ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、という風にしててね。 これは、むずかしいようです、お願いというのは、わたしが
又候ぽーとしたら、軽く背中をたたいて正気づかせて頂きたいということです。どうぞ、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
幸、一番安全そうな時間を見計らって急に立ちました。菅谷君出張、細君田舎行。昨夜|
又候《またぞろ》たった一人で、田舎から帰れるかどうか分らないから三四日は一人とあ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、じっと凝視めながら
「大殿の今度の御処置だけで、天下に、恥を晒《さら》したに、
又候《またぞろ》騒動を持上げて、斉彬公のお心にもとるなど、思慮があると思うか、無....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なくなるまで仕事をして、それからてくてく家に帰り、夜食を済まし、一服する間もなく
又候夜なべに取り掛かるという始末であった。これというもとにかく仕事に精を出さない....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ばかりいって見えますので、気を腐らしていた所なので……」 「そこへ、拙者までが、
又候同様なことをいって来たので、それでお断りなされたのか」 「あなた様の場合は、....
「三国志」より 著者:吉川英治
まった。明らかに、それは汝が曹操へ密報した結果にちがいない。――それさえあるに、
又候、のめのめとこれへ来たのは、近頃、魏を脱陣して、この周瑜の麾下へ投降してきて....