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及第
「及第〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
及第の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
門などに云う色の上の寒温ですね。この連中は赤とか黄とか温い色の野菜ならば、何でも
及第させるのです。が、青とか緑とか寒い色の野菜は見むきもしません。何しろこの連中....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
しやかな女だったような気がします。そうして明《あく》る年、進士《しんし》の試験に
及第して、渭南《いなん》の尉《い》になりました。それから、監察御史《かんさつぎょ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。その上もう一月すると、ほとんど受ける気のしない入学試験がやって来る。入学試験に
及第しなかったら、………
「美津がこの頃は、大へん女ぶりを上げたわね。」
姉の....
「星座」より 著者:有島武郎
いうようなものを勉強し始めた。そして三月の後には区立病院の産婆養成所の入学試験に
及第した。その名前が新聞に載《の》せられた時、それを父に気づかれまいとして母が苦....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
代人の資格は神経の鋭敏という事であると速了《そくりょう》して、あたかも入学試験の
及第者が喜び勇んで
及第者の群に投ずるような気持で、(その実落第者でありながら。―....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の体格検査をせざあなるまい。しかし私は厭だ! 私の娘なら断るよ、たとい御試験には
及第を致しましても、」 と冷かに笑うと、河野は人物に肖ず、これには傲然として、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
かに方向を定め、それから定期的に行われる試験を受ける順序になっていた。その試験に
及第すれば、そこで始めて一人前の司法官になれるわけだった。僕は、「黄谷青二」なる....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
年の推理は、原文の意味の七分どおり正しく解いているのであった。少年探偵としては、
及第点であった。 このとき以来、彼は、右の解釈を基として、その後の活動をするこ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
かをちょっと験してみたというわけだ。ところがお嬢さんはちゃんと気がついた。そこで
及第点を与えたという、それだけのこと」 「ふーン、なるほどね。探偵商売もこれじゃ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
ころ、お前を自由にするまえに、一つ試験をするといっているぜ。その代り、この試験に
及第すれば、この空魔艦の一員にとりたててやるというのだ。しっかりやれ」 丁坊は....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
について、いくどもいくども直された。 七、八分も過ぎて、ローマの群衆はようやく
及第した。ちょっとでも杜先生に褒められると、少女たちはキキと小動物のように悦ぶの....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ころなり、食料付で置いてもらうことはできんか。来年試験を受けるとしても、はたして
及第するか否かは分らんのだから、この四月には早稲田へでもはいったらどうだろう。そ....
「白光」より 著者:井上紅梅
前に浮び出しているのだ。 ずば抜けた秀才として初等試験から高等試験まで立続けに
及第し……村の物持はあらゆる手段をもって縁を繋ぎ求め、人々は皆|神仏のように畏敬....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
といったぐあいで、現今のように審査という選定方法もなく、出品された以上は落第も
及第もなかったので、結局それぞれの師の目にとまった絵が自選の形式で出品されていた....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
くすっぽ行かない者とその二人が一緒に一高の試験を受けたわけなんですが、弟が美事に
及第して、私が落第したって別に不思議はないはずですのに、私は非常に憤慨して、彼を....