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反故
「反故〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反故の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
もっていた。兼ねて求馬《もとめ》と取換した起請文《きしょうもん》の面《おもて》を
反故《ほご》にするのが、いかにも彼にはつらく思われた。のみならず朋輩《ほうばい》....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
それじゃアなぜ主意を立てるといった、お前は力士、たゞの男とは違う、一旦云った事を
反故《ほご》にする事はない、武士に二言はない、刀に掛けても女を貰いましょう」
....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ませ、藤原夫婦も嬉しく思って帰りましたが、これより後《のち》は文治郎は親の慈悲を
反故《ほご》にしてはならんと云うので、頓《とん》と他《た》へ出ません。母の側に附....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
白紙のつもりであったのが、彼の翻訳の原稿の書き損ないでも入っていたと見えて、この
反故に彼の手蹟があります。私は実は古田にドイツ語を習った事があるので、彼の手蹟は....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、貴公の心掛けを誠に感心したから」 大「それは千万|辱けない、其のお言葉は決して
反故には相成りますまい」 梅「武士に二言はありません」 大「へえ辱けない」 春....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
て何と云っても帰らないから、五十銭も遣って、後で披けて見ると、子供の書いたような
反故であることなどが度々ありますから、お気の毒だが主人はお目にかゝる訳にはまいり....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
と、飯島の家が潰れるから、邸へ行く事は明朝までお待ち、此の遺書の事を心得てこれを
反故にしてはならんぜ」 と亀の甲より年の功、流石老巧の親身の意見に孝助はかえす....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
た、二十両遣わせば小増は相違なく参りますと申したではないか、男が請合って、それを
反故にする奴があるか、男子たるべき者が」 藤「中々男子だって然ういう訳には参りま....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
たき風情、何処に憎い所なし。なる程定めなきとはあなたの御心、新聞一枚に堅き約束を
反故となして怒り玉うかと喞たれて見れば無理ならねど、子爵の許に行てより手紙は僅に....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、別室で桔梗様と二人だけで、しばらく話を交わせたこと…… 「昆虫館でのお約束を、
反故にしたのではございません」こう桔梗様が云ったこと。「父は憂鬱になりました。『....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ところから、梅や竹なんぞをひねくって、作れもしない絶句を題して、青山居士と署した
反故が、張り貫きの箱の中に久しくしまってあった。芝の増上寺が焼けたのは、おれが青....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
書いた此の文も世間へ出せねえ文だから、此の二通とも一緒にして囲炉裏の中へ投焚べて
反故にすべえじゃねえか、私に預けておくんなさい、世間へ知れゝば家に疵が附いて、お....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ははは。」とさも快げに見えた。 夕空 十一 時に五助は
反故紙を扱いて研ぎ澄した剃刀に拭をかけたが、持直して掌へ。 折から夕暮の天暗く....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
か、お取りな、何うせ女郎の千枚起請という譬の通りで、屏風|一重中で云った事は、皆
反故同様だ」 とあら/\しくいう伊之助の顔を若草は怨めしそうに見て涙声になり、....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
先代夫婦の亡きあとを承けて、好人物らしい養嗣子が経営ているが、その時分の吾々の文
反故を、今でも大切に保存している―― 古今独歩と大きく書いて、下に国北生と署名....