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反物
「反物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
の戯談が出ると女なぞは腹をかかえて笑った。陽《ひ》がかげる頃に彼れは居酒屋を出て
反物屋《たんものや》によって華手《はで》なモスリンの端切《はぎ》れを買った。また....
「星座」より 著者:有島武郎
あるたものちゃぶ台には読みさしの英語の本が開いたまま伏せてあったが、その表紙には
反物のたとう紙で綿密に上表紙がかけてあった。男である園は、その部屋の中では異邦人....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
月に二回は必ずやって来るお君に、村田は平気で居れず、ある夜、新聞紙に包んだセルの
反物を持って路地へやって来て、 「思い切って一張羅イを張りこみましてん。済んまへ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》の前に坐って素読の試験を受けるのである。成績優等のものに対しては、身分に応じて
反物や白銀の賞与が出た。 出頭の時刻は五ツ半というのであるが、前々からの習慣で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いのに出っくわすので、もう堪まらなくなって逃げ出すことになる。おれは無事に通って
反物を貰ったなぞと云い触らすのは、興行師の方の廻し者が多かったようです。そのうわ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 ◯爆撃の直後、身近かにとんで来たものはすてきなケシゴムたくさん、百円札の束、
反物など。これは鈴木さんの友達の話である。 ◯首がとびこんで来て、われに向かい丁....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
住居は今年の夏前までずっと日本橋区の小網町に在った。父は夏以外ふだんの職業として
反物のたとう紙やペーパアを引受けていた。和漢文の素養のある上に、ちょっと英語を習....
「河明り」より 著者:岡本かの子
色液体のように部屋中一ぱい漲り溢れている。床と云わず、四方の壁と云わず、あらゆる
反物の布地の上に、染めと織りと繍いと箔と絵羽との模様が、揺れ漂い、濤のように飛沫....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
り、蛇が下りて来て首筋へ触ったりします。こんなのを通り抜けて出ることが出来れば、
反物を景物に出すなどが大いに流行ったもので、怪談師の眼吉などいうのが最も名高かっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う」 「なんでも元は大きい呉服屋に奉公していたんだそうですが、小柳さんのところへ
反物を持って行ったのが縁になって……。小柳さんよりずっと年の若い、おとなしそうな....
「雨」より 著者:織田作之助
二回はかならずやってくるお君に、村田は平気でおれず、ある夜、新聞紙に包んだセルの
反物を持って路次へやってきて、 「思いきって一張羅イをはりこみましてん。すんまへ....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
出た。ただならぬ彼女の身体が主人の眼に着いたのではあるまいか。主人は給金のほかに
反物をくれた。 彼女はいよいよ重くなる腹の児を抱えて、再び奉公先を探した。探し....
「灰色の姉と桃色の妹」より 著者:小川未明
こからほかに去った後であったか、その姿は見えなかったが、ちょうど若い、美しい女が
反物を買って、それを抱えて喜びながら出てきたところでした。 姉は、なんと思った....
「真吉とお母さん」より 著者:小川未明
しゃいますよ。昨日おいでになって、東京へいっている息子の春着を造ってやるのだと、
反物を買ってお帰りになりました。」と、おかみさんは、告げました。 真吉は、これ....
「雨」より 著者:織田作之助
月に二回は必ずやって来るお君に、徳田は平気で居れず、ある夜、新聞紙に包んだセルの
反物をもってお君の家を訪れ、「思い切って一張羅を張りこみましてん、済んまへんが一....