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反語
「反語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反語の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
前掲の追加広告中、「或批評家の代表する一団の天才に敬服した」と言うのは勿論
反語と言うものであります。同上
芸術
画力は三百年、書力は五百年、文....
「或る女」より 著者:有島武郎
しく感傷的な痛々しさをその顔に与えた。いつになく若々しく装った服装までが、皮肉な
反語のように小股《こまた》の切れあがったやせ形《がた》なその肉を痛ましく虐《しい....
「佐渡」より 著者:太宰治
灯が見えるかね。佐渡は寝たかよ灯が見えぬというのは、起きていたら灯が見えるという
反語なのだから、灯が見える筈だね。」つまらぬ理窟を言った。 「見えません。」 「....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
が、もしも鉄のような、神経の持主だけに背負《しょ》われるものだとすれば、当然その
反語として、いつか私は、それに似た者になってしまうかもしれません。いいえ、それは....
「街頭の偽映鏡」より 著者:佐左木俊郎
まらない気持ちはない!」 雅子はその言葉を、あの時は出任せの言葉として、しかも
反語的な皮肉な言葉として、ただわけもなく踏みにじってしまったのであったが、いまに....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
べき畸人だった。いや畸人といったのでは足りない。もしも常識豊富な狂人(?)という
反語的ないいあらわし方が許されるものとしたら、それは一等適切に「深夜の市長」と呼....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
て旧東京の老人はついにそれに対する素直な表現欲を失っていた。感情の表現にはむしろ
反語か、遠廻しの象徴の言葉を使った。 「隣近所にお化粧のアラを拾うやつもなくてさ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
故なら、左の方へ廻転すれば、当然椅子が浮いてこなければならないからだ」
「曖昧な
反語はいかん」熊城が難色を現わすと、法水はあらゆる観察点を示して、矛盾を明らかに....
「読書法」より 著者:戸坂潤
の作文法の問題ではなくて、事物そのものの性質が文章に対して一般的に要求する処だ。
反語や逆説やアフォリズムという作文様式は、この要求から使われるのであって、特に反....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
とを含んでいる場合にも、純一ならぬ軽雑な何ものをもインフェクトせぬであろう。私は
反語とか諷刺とかの片鱗をもって論述を味わいつける、大家にも普通なレトリックさえけ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
が、結句の響に調和するとおもったからである。結句の「隠さふべしや」の「や」は強い
反語で、「隠すべきであるか、決して隠すべきでは無い」ということになる。長歌の結末....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
とだろう、と言おうとしたが、ふと口をつぐんでしまった。それは罪のない自由主義的な
反語が、肚《はら》の中でほとんどもう憤懣《ふんまん》に変わりかけていたからである....
「白井明先生に捧ぐる言葉」より 著者:坂口安吾
井先生が頃日書く意味もない駄文ばかり書いてるせいなのである。 いったいに文学の
反語性に味読の及ばぬ識見低俗なヤカラが文学を批評するというのが間違っている。僕の....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
があり、「涙を催させる喜劇」(〔Come'die larmoyante〕)という
反語的な名称で、その時代としては珍しい「ジャンル混淆」の戯曲を発明したルメルシエ....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
と四年後の手紙は訴えている。勿論それもこれもいつもの冗談口調だが、さりとて単純な
反語でもなく、そこに現われている憧憬の表情はかなり複雑だ。いわば愛情への直接の憧....