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収め
「収め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
収めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
気分は、沈んでいた。眇の毒舌は、少なくともこれだけの範囲で、確かに予期した成功を
収め得たのである。彼は秋晴れの江戸の町を歩きながら、風呂の中で聞いた悪評を、いち....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
なのは、去年この「さん・ふらんしすこ」の御寺《みてら》へ、おん母「まりや」の爪を
収めた、黄金《おうごん》の舎利塔《しゃりとう》を献じているのも、やはり甚内と云う....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
機会に広告を加えなければならぬ。『六の宮の姫君』は短篇集『春服《しゅんぷく》』に
収められている。発行|書肆《しょし》は東京|春陽堂《しゅんようどう》である)作者....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
粟野さんはどちらかと言えば借金を断《ことわ》られた人のように、十円札をポケットへ
収めるが早いか、そこそこ辞書《じしょ》や参考書の並んだ書棚《しょだな》の向うへ退....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
クタイ》と――自分は当時、むしろ、哂《わら》うべき対象として、一瞥の中《うち》に
収めたこの光景が、なぜか今になって見ると、どうしてもまた忘れる事が出来ない。……....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
己を憎悪し或は軽蔑《けいべつ》している。が、憎悪も利害の前には鋭鋒《えいほう》を
収めるのに相違ない。且《かつ》又軽蔑は多々益々|恬然《てんぜん》と虚偽を吐かせる....
「或る女」より 著者:有島武郎
木村様
葉より」
葉子はそれを日本|風《ふう》の状袋《じょうぶくろ》に
収めて、毛筆で器用に表記を書いた。書き終わると急にいらいらし出して、いきなり両手....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
わたって築き上げたあらゆる制度および機関(ことに政治機関)をプロレタリアの手中に
収め、矛《ほこ》を逆にしてブルジョアジーを亡滅に導かねばならぬ。ブルジョアジーが....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
から徴集していた小作料金に比べればまことにわずかなものです。私がこれ以上諸君から
収めるのは、さすがに私としても忍び難いところです。それから開墾当時の地価と、今日....
「星座」より 著者:有島武郎
ようになった……その淡い無常を感じて、机からぬっくと立ち上りながら西山は高笑いを
収めた。そして大きな欠伸《あくび》をした。
* * *
....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
出された。彼の恩を忘れぬ人間たちは、霜の花で飾られたこの小船にハイムダルの亡骸を
収め、それに様々な高貴な鉄工品や金銀細工を満載した。小船は、始めに来たときと同じ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しました。『母はあんなに固く請合ってくだされたが、果して懐剣が遺骸と一|緒に墓に
収めてあるかしら……。』そう思うと私はどうしてもそれが気懸りで気懸りで耐らなくな....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
るものである。』 以上モーゼスの述べた所によりても明白である通り、『霊訓』中に
収められてあるのは、原本の一部分に過ぎない。近年『霊訓』続篇が出版されたが、これ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
てもなんの役にもたたないからというのでそれをとかして一つの鐘を造ってお寺の二階に
収める事にしました。 その次の年あの燕がはるばるナイルから来て王子をたずねまわ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
自分の希望通りであった。それゆえ、協会へも相当に御礼をなし、科学にも相当の効果を
収めようと心がけておりました。が、初めの中は準備時代であり、思うままにならぬ中に....