収斂[語句情報] »
収斂
「収斂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
収斂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
破っている点に注目したい」 「すると結局かねて君の自慢の命名、“地球発狂事件”に
収斂《しゅうれん》するわけじゃないか。抑々《そもそも》どこを捉えて本事件を“地球....
「河明り」より 著者:岡本かの子
しようとするものはなくなったほど、周囲の人間に肉感的なもの、情慾的なものの触手を
収斂さす作用を持っていた。それで、娘が再び眼を上げて華やかな顔色に戻ったとき、室....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れた。法水は最初真斎を一瞥すると同時に、何やら黙想に耽るかの様子だったが、やがて
収斂味のかった瞳を投げて、
「ハハア、貴方は下半身不随ですね。なるほど、黒死館の....
「愛と美について」より 著者:太宰治
に集合論を述べる習慣があります。これについても、不審があります。たとえば、絶対|
収斂の場合、昔は順序に無関係に和が定るという意味に用いられていました。それに対し....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
うした物質でできているとしたらどうであろうか。その場合には目のレンズはもはや光を
収斂《しゅうれん》するレンズの役目をつとめることができなくなる。網膜も透明になれ....
「金属人間」より 著者:海野十三
ょくは元素表にある元素の一つであるか、あるいはその同位元素であるというところに、
収斂《しゅうれん》してしまうのがおちであろう。 だが、ここにもう一度よく考えて....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ら、出発点(原理)は終点と一つになり、従って出発点(原理)は終点である形相にまで
収斂して了うことが出来たので、物質(質料)から形相への運動を、唯物論的に解き明か....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
理にエゴティスティック(必ずしもエゴイスティックとは云うまい)な自己に世界の生を
収斂させて、虚無や不安に身を横たえなくても、かの要求には間に合う筈なのである。 ....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
込んだ。 怪老人は、大男の心臓を、陳君の左胸部へ移し植え、血管をつぎ合したり、
収斂、止血剤を施したり、大童になって仕事をつづけたが、やがて、左胸部の創を縫合せ....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
如何にして可能であろうか。 これは必ずしもパラドックスではない。 数学の方で
収斂級数というものがある。第一項に第二項を加え更に第三第四と無限の項を附け加える....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
を用いると、どうも結果は工合よく行かない、しかし下剤とは反対の効果を生じるような
収斂剤を交ぜて施用すると大変工合がよいそうである。つまり人間の体内に耆婆扁鵲以上....
「スポーツの美的要素」より 著者:中井正一
て相干渉して他の類型の判断構造となる。換言すれば判断構造は一つの「力」の場として
収斂型態を取る。この判断構造は一般に「賭」の判断構造のもの、蓋然的期待感情の内面....
「回顧と展望」より 著者:高木貞治
それはクレルレ誌66号の自分の書いた論文の講義だけども,特異点まで届くはずの解の
収斂円が,黒板の上では其処まで行かないで,立往生というようなこともあった. シ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
「シャモと沙門」(本誌二巻五号)において簡単に観察しておいたが如く、彼らが国司の
収斂誅求を避けて脱籍した、仮托の沙門(同号一〇頁以下)に起因することのすこぶる多....
「濫僧考」より 著者:喜田貞吉
勢家の輩が天下の富を私して、公民その生を安んずること能わず、ことに当時の地方官の
収斂誅求は極度に達して、いやしくも絞り取りうる事の出来るものは、寸毫も余すなしと....