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「叔父〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

叔父の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
に育ったことは寧《むし》ろ彼の誇りになった。信輔は中学へはいった春、年とった彼の叔父と一しょに、当時叔父が経営していた牧場へ行ったことを覚えている。殊にやっと柵....
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
にするなどということはない。第一の夫はお父さんと呼ばれ、僕等三人は同じように皆|叔父《おじ》さんと呼ばれている。 しかしダアワも女である。まだ一度も過ちを犯さ....
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
したと云ってもよい。伝吉は父を葬《ほうむ》った後《のち》、長窪《ながくぼ》にいる叔父《おじ》のもとに下男《げなん》同様に住みこむことになった。叔父は枡屋善作《ま....
文放古」より 著者:芥川竜之介
しの従兄には候補者の資格を認めていないの。ただ従兄の父親だけは――つまりあたしの叔父《おじ》だわね。叔父だけは嫁《よめ》に貰いたいのよ。それも表向きには云われな....
」より 著者:芥川竜之介
ていた。僕は坂を登りながら、僕自身も肉体的にしみじみ疲れていることを感じた。僕の叔父《おじ》は去年の十一月に喉頭癌《こうとうがん》のために故人になっていた。それ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
で、私は私の一存で、あの沙門を姫君の御目にかかれないようにしようと思うのですが、叔父さんの御考えはどういうものでしょう。」 「それはわしも、あの怪しげな天狗法師....
」より 著者:芥川竜之介
一 僕はふと旧友だった彼のことを思い出した。彼の名前などは言わずとも好《い》い。彼は叔父《おじ》さんの家を出てから、本郷《ほんごう》のある印刷屋の二階の六畳に間借《....
片恋」より 著者:芥川竜之介
」――莫迦莫迦《ばかばか》しいが、そう云った。主人役がもう年配でね。僕は始から、叔父さんにつれられて、お茶屋へ上ったと云う格だったんだ。 すると、その臂と云う....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、今日は熱も下ったしね、この分で行けば癒《なお》りそうだから、――美津《みつ》の叔父《おじ》さんとか云う人も、やっぱり十二指腸の潰瘍《かいよう》だったけれど、半....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
色を浮べながら、こんな事をしゃべり出した。 「西南戦争ですか。それは面白い。僕も叔父があの時賊軍に加わって、討死をしたから、そんな興味で少しは事実の穿鑿《せんさ....
少年」より 著者:芥川竜之介
けれども海の不可思議を一層|鮮《あざや》かに感じたのは裸《はだか》になった父や叔父《おじ》と遠浅《とおあさ》の渚《なぎさ》へ下りた時である。保吉は初め砂の上へ....
将軍」より 著者:芥川竜之介
れなかった。 「まあそんな調子でね、十二三の中学生でも、N閣下と云いさえすれば、叔父《おじ》さんのように懐《なつ》いていたものだ。閣下はお前がたの思うように、決....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
すH某《ぼう》と云う科学者で芸術家だった男が、千七百九十二年三月十二日の夜、その叔父の二重人格を見たと云う実例などを数えましたら、恐らくそれは、夥《おびただ》し....
追憶」より 著者:芥川竜之介
その年の春だったであろう。 二 位牌 僕の家の仏壇には祖父母の位牌や叔父の位牌の前に大きい位牌が一つあった。それは天保何年かに没した曾祖父母の位牌だ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
った。彼は、犯罪が行われた時には、パンとチーズとを買いに村へ出かけて行っていた、叔父はその隙に誰かに殺されたのだと申立てた。そんなことを誰が信じる。 十月二十....