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取っ付
「取っ付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取っ付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
…。」と、かれは声を低めた。「夜ふけに村はずれへ出て行って、石地蔵さまにしっかり
取っ付いて、泣いたり笑ったりしているそうですよ。村じゅうで確かに見たというものが....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
ご祈祷ばかりしていたんでは食えないのさ……。犬の字通り隠密にだってなるのさ。……
取っ付きとさえ云われている犬神、こいつが隠密になったひにゃア、どんな獲物だって逃....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
質で、他面私は放胆であった。又一面|洒落者で他面著しく物臭であった。宿命的病気に
取っ付かれて以来、その程度が烈しくなった。この病気の特徴として、いつも精神が興奮....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
懸かりもないのですからせめて、土人の伝説か俚謡でも、手懸かりの一つにしなかったら
取っ付き場所がありません……」 マハラヤナ博士は驚いたようにレザールの顔を眺め....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
布を握り、いつもの癖の一人遊び、ブラリと吉原へやって来た。大門をはいれば中之町、
取っ付きの左側が山田宗順の楼、それと向かい合った高楼はこの遊廓の支配役庄司甚右衛....
「郊外」より 著者:国木田独歩
に言う。 『命あっての物種だてエ事よ、そうじゃアねえか、まアまア今夜なんか死神に
取っ付かれそうな晩だから、早く帰ってよく気を落ち着けて考えるんだなア。』 『何言....
「法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
。どうも自分が予期したものとは大分違った学問を教えられているような気がして、甚だ
取っ付きが悪い。仕方がないから先生の講義することをそのままノートすることはしたも....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
手は雷門を渦の中へ巻き込んでとうとう落城させてしまいました。それで雷門から蔵前の
取っ付きまで綺麗に焼き払ってしまった上、さらに花川戸から馬道に延焼し、芝居町まで....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ちの後からついていった部屋は廊下を鉤の手に回った奥の西洋間らしい階段の下の、スグ
取っ付きの部屋でした。明け放した廊下からは、例の眼も絢な芝生が、一望遮るものもな....
「それから」より 著者:夏目漱石
しくなりそうですな。どうも先生みた様に身体を気にしちゃ、――仕舞には本当の病気に
取っ付かれるかも知れませんよ」 「もう病気ですよ」 門野は只へええと云ったぎり....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
らない奴は振っても巻いてもついて来やあがるし、うっかりそれを義理人情のしがらみに
取っ付かれるはめになりゃあしまいかと思うと、そいつの執心よりはあたしゃ、このここ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
関に立って、入口の扉の電鈴装置や引込外線の接続部などを調べていたが、それがすむと
取っ付の階段からツカツカと二階へ上って行く。鶴子の住居の玄関の前に私服が一人立番....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
分たちとは全く世界を異にしている人々だけの持つ厳しさだった。毎度々々のことながら
取っ付けないものをそこに感じた。 「和尚様御食事じゃ。サ、早う給仕」 そう冷淡....
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
本風のお庭に向かって一面に硝子障子《ガラスしょうじ》がはまった廊下へ出て、左側の
取っ付きの西洋間の白い扉《ドア》を開くと妻木君は先に立って這入った。私も続いて這....
「冗談に殺す」より 著者:夢野久作
階上と階下に響いた。 ……もう大丈夫だ。何一つ手ぬかりは無い。あとは階段の上の
取っ付きの自分の室に這入って、いつもの通りにバットを一本吹かしてから蒲団を引っか....