取り取り[語句情報] » 取り取り

「取り取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取り取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
ちゃく》してやらなくちゃ承知しない」お島はそれを考えると、不人情な養母達の機嫌を取り取りして来た、自分の愚しさが腹立しかったが、それよりも鶴さんの目にみえて狎々....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
鞍下《あんか》に馬なく、青葉ゆらぐ台町馬場の芝草燃ゆる大馬場を、投げ出された黒白取り取りの鞠《まり》のように駈け出しました。 第一周は優劣なし! 第二周目も....
奥様探偵術」より 著者:夢野久作
るいものでした。否、むしろフラウの方がオッカナ、ビックリ仕掛けで、御主人の機嫌を取り取り送り迎えをしておられるように見えました。 この事はむろんこのアパートの....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
た。男は雇われたものと見え、鳥打帽に青い筒袖という小作人らしい風体で、女の機嫌を取り取り籾の俵を造っていた。そのあたりの田の面には、この一家族の外に、野に出て働....
千鳥」より 著者:鈴木三重吉
、山や蜜柑畑や、森や家々や、目に見るものがことごとく、藤さんの白帆が私語く言葉を取り取りに自分に伝えているような気がする。 と、ふと思わぬところにもう一つ白帆....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
ばら》らく悲しい月日を送ッている。ト或る時、某学校で生徒の召募があると塾での評判取り取り、聞けば給費だという。何も試しだと文三が試験を受けて見たところ、幸いにし....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
乞食じゃ。又は野臥り山窩にまじって。寺の門前。鎮守の森蔭。橋の袂の蒲鉾小舎で。虱取り取り暮しているのを。一人二人と集めてみたなら。迚も大した人数になります。しか....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
の中に待たせておいた連中がゾロゾロと這入って来た。洋装、和装、頬紅、口紅、引眉毛取り取りにニタニタ、ヘラヘラと笑い傾けながら、荘厳を極めたロココ式の応接間に押し....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
――鼻の動的表現(十一) こうして鼻の表現は、その大小、深浅、厚薄取り取りをそのままに、無意識の裡に相手に感応させております。相手も又無意識のまま....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
けます。それに、自分では、今思い出すままを、記憶に任せてお話することで、疎密繁閑取り取りですから、その辺はそのつもりでお聞き下さい。とにかく、私の覚え帳に名前の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る社員として、我儘な華族の殿様のお守りをするような気になって、気を長くして機嫌を取り取りとうとう退引ならぬ義理ずくめに余儀なくさしたのが明治三十九年の秋から『朝....