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「取り次ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取り次ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ると誰かためらい勝ちに社宅の玄関のベルを押した。彼女はそれでも気にせずにボオイの取り次ぎに任かせて措《お》いた。が、ボオイはどこへ行ったか、容易に姿を現さない。....
或る女」より 著者:有島武郎
ぬという事、幸いに、サンフランシスコで自分の話に乗ってくれるある手堅いドイツ人に取り次ぎを頼んだという事、シヤトルでも相当の店を見いだしかけているという事、シカ....
或る女」より 著者:有島武郎
いたその男であるのがあとで知れた。その男は名を正井《まさい》といった)からつやの取り次ぎで内秘《ないひ》に知らされていたのだそうだ。郵船会社はこの記事が出る前か....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、さらに何事かを問いたそうに式部を見かえると、半七は声をかけた。 「いえ、一々お取り次ぎは、かえってお願いの筋が通り兼ねるかとも存じます。御用でございましたらば....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
説き自分の夫にも口説きしてひそかに慰藉の法を講じた。自ら進んで省作との間に文通も取り次ぎ、時には二人を逢わせる工夫もしてやった。 おとよはどんな悲しい事があっ....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
「そんな貧弱い風態でお目にかかりたいとは何んの痴事! 莫迦を云わずと帰れ帰れ」取り次ぎの者は剣もホロロだ。 「はいはいごもっともではござりますが、まあまあさよ....
光は影を」より 著者:岸田国士
、露にひかる庭のしだの葉に、じつと眼をおとしている。 玄関に来客があるらしく、取り次ぎに出た多津が、大形に、 「まあ、まあ、よくいらしつたわね……随分お久しぶ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
免くだせえ」さも不器用に案内を乞うた。「ドーレ」といって出て来たのは小袴を着けた取り次ぎの武士。 「ええどちらから参られたな」 「へえ、甲州から参りました」その....
妖怪談」より 著者:井上円了
の備えられてありましたのです。その風致、あたかも小日本の観がありました。そこで、取り次ぎに主人の在不在を問いました。幸い在宅でありまして、主人は早速出迎えました....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
余程法王もお忙しいから沢山なお話もあるまい。私がよくお話を聞いていろいろ貴僧にお取り次ぎ申して御相談しなくてはならん事もあるだろうというような御挨拶。それから侍....
三月の空の下」より 著者:小川未明
、これから一|杯やろうと思っていたのです。そこへはばかるような小さい跫音がして、取り次ぎの女中兼看護婦が入ってきて、 「患者がみえましたが。」と、告げました。 ....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
らね」 本庄は身ぶるいした。 「そんなに私が嫌いになったんですか? もう直きに取り次ぎ電話が酒屋さんからかかってきますから、辛棒していらっしゃいよ。そして気晴....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
すまない、と申して泣いて居ります。是非お目にかかってお謝罪がしたいから、奥様へお取り次ぎして頂きたいと云って、お台所に居りますが、――どういたしましょう?」と女....
情鬼」より 著者:大倉燁子
出し、吉岡五郎氏に面会を求めた。二人は長い間玄関の敷石の上で待たされた。 軈て取り次ぎのボーイに案内されて、細長い廊下を幾度も曲り、やっと吉岡氏の扉の前に立っ....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
を立てて門内に辷べり込んだ。が、誰一人出迎えなかった。洋子は玄関のベルを押した。取り次ぎは出て来ない。 奥座敷の方に灯は見えるが、家の中は妙にしいんとしていて....