取り組む[語句情報] » 取り組む

「取り組む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取り組むの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
れ出た。思い入った決心を眉《まゆ》に集めて、日ごろの楽天的な性情にも似ず、運命と取り組むような真剣な顔つきで大事の結着を待つ木村の顔。母の死をあわれむとも悲しむ....
富士」より 著者:岡本かの子
っていた。 自分はそれに砂礫の肉と皮をつけた。 しばらく、明暗が渦雲のように取り組む世の中に眺められる。自分を剖《さ》き分けて、近くへ寄ってみれば、焼石、焼....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なら、まだ同じあっけなさでも考えようがあるというものですが、今立ち上がるか、いま取り組むかと、さんざん手に汗をにぎらしたうえで、行司が軍配を引くや同時に、ぷいと....
旅愁」より 著者:横光利一
ながら、遠ざかり、廻り、翼から胴、胴から塔へと視線を移して眺めたが、塩野がこれと取り組む願いを起したとは、相当以上の大決心にちがいないと想像された。 「ね、君、....
一つの感想」より 著者:宮本百合子
のがないでしょうか。 永田靖氏は幕の内の連中の批評は聞くが、一般の批評を聞いて取り組むという気がないと率直に語っておられます。また、滝沢氏が、夜を徹して芸談を....
図書館法を地方の万人の手に」より 著者:中井正一
た。 その一つ一つの本を、何人の青年が、そのきらめく瞳で、驚きと、疑問の表情で取り組むかを想像しながら、私は、何となく、頭を下げる思いであった。 彼は、また....
」より 著者:カフカフランツ
の役目をもっていなくても、すでに係の全体ではないでしょうか。この場合には、事件と取り組むときの情熱だけが万事を決定するのではないでしょうか。そして、その情熱はい....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
でね。これが一番人生で、値打ちがあると信じたことに向っては、万事を放擲して目的に取り組む。普段は随分打算家で、世間師の僕だがね。ここのところを君のお父さまは冷静....
私本太平記」より 著者:吉川英治
りは盲兵のすがたである。斬りむすぶというよりは叩き合いだった。逃げる、追う、また取り組む。その上へ、大波が来て、波にさらわれて渚を這う兵もある。 でも、しょせ....