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取る
「取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
父母その人は愛すれども、父母の外見を愛する能はず。貌《かたち》を以《もつ》て人を
取るは君子の恥づる所也。況《いはん》や父母の貌を云々《うんぬん》するをや。然《し....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
、容易に手代を縛り上げた。それから伍長は僕等の代理に、僕の剃刀《かみそり》を受け
取るなり、無造作《むぞうさ》に彼の鼻を削《そ》ぎ落した。手代は勿論悪態をついたり....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
かである。二十八日の月給日に堀川教官殿と書いた西洋封筒《せいようふうとう》を受け
取るのにはかれこれ二週間も待たなければならぬ。が、彼の楽しみにしていた東京へ出か....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
たから、不用の書物を二冊渡し、これを金に換《か》え給えと云った。青年は書物を受け
取ると、丹念《たんねん》に奥附《おくづけ》を検《しら》べ出した。「この本は非売品....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
また数馬は思い違えたのじゃ?」
「それはわたくしにもわかり兼ねまする。が、いずれ
取るにも足らぬ些細《ささい》のことだったのでございましょう。――そのほかは何もご....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
げ出さずに、眼で猪首の若者を招くと、人の好さそうな微笑を浮べながら、
「さあ、受
取るのだ。」と声をかけた。
猪首の若者は数歩を隔てて、時々|髭《ひげ》を噛《か....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
であるか? 救うことを快とするからである。では水に入る不快を避け、幼児を救う快を
取るのは何の尺度に依《よ》ったのであろう? より大きい快を選んだのである。しかし....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ように現れたのです。これこそ実際天縁が、熟したと言う外《ほか》はありません。私は
取る物も取りあえず、金※《きんしょう》にある王氏の第宅《ていたく》へ、秋山を見に....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ならお客様の分も持ってくりゃ好いのに。」――泰さんは苦笑しながら、その蛇の目を受
取ると、小僧は生意気に頭を掻いてから、とってつけたように御辞儀をして、勢いよく店....
「百合」より 著者:芥川竜之介
の中に生えている百合は野原や山にあるやつと違う。この畑の持ち主《ぬし》以外に誰も
取る事は許されていない。――それは金三にもわかっていた。彼はちょいと未練そうに、....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
も間違いだったらしい。 王 そうだ。我々は二人とも間違っていたのだ。(王子の手を
取る)さあ、綺麗に仲直りをしましょう。わたしの失礼は赦して下さい。 王子 わたし....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
も石も金もともに燬くるかと疑わるる炎暑の候にまたかくの如く無尽の涼味を貯えて人の
取るに任すとは有難き事なりと、古人の作中、得意の詩や歌を誦するともなく謡うともな....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
人が来ると、「よくお出で」と言い、講堂では前列の椅子に腰掛け、講師の右手の所に陣
取る。講演を聞きながら、時々前にかがみ、講演がすむと、周囲の人々に「ありがとう」....
「寡婦」より 著者:秋田滋
げた、庭のあの場所まで来て、うえを見て下さい。 私は気でも狂うかと思いました。
取るものも取り敢えず、あわてて着物を著ると、私は云われた場所まで駈けて行ったので....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
郎右衛門が受取らなければその五枚も伊作に取られてしまうのを知っているので、是非受
取るようにすすめたけれども受取りませんでした。伊作は太郎右衛門がどうしても受取ら....