取るに足りない[語句情報] »
取るに足りない
「取るに足りない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取るに足りないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
国であります。その人口は二百五十万でありまして、日本の二十分の一であります。実に
取るに足りないような小国でありますが、しかしこの国について多くの面白い話がありま....
「こころ」より 著者:夏目漱石
働きを明らかに意識していたのですから。しかも傍《はた》のものから見ると、ほとんど
取るに足りない瑣事《さじ》に、この感情がきっと首を持ち上げたがるのでしたから。こ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
はないのではないかと私は思う。無論こうした馬鹿げた常識(?)は、そのものとしては
取るに足りないが、併しこうした馬鹿げた気分の動きが、案外思わぬ処で、民族精神の或....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
。 私がこういうと、読者のある者は、和辻博士の学的労作が、何か出鱈目なもので、
取るに足りないものででもあるように考えるかも知れない。あまりに馬鹿々々しい反動論....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
活の世俗問題にまで天下って来たとすれば、羽衣を失った天女のように、まことに凡庸で
取るに足りないものになることは当然だろう。たしかに新八大政綱は、可もなく不可もな....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
唱するものであるとか、統制経済の宣言であるとかいわれたが、その内容を見ると殆んど
取るに足りないものだといっていいだろう。 都市の数大学の教授達はこのパンフレッ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば恥多しというのは、世間体があるからなのです。恥というものは、よく考えてみると、
取るに足りないほどのことを、ただ世間体のおもわくだけで、小さくなっていることじゃ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
動物たちよりも、はるかに勤勉で、器用で、利口だと言われています。私なども、陛下は
取るに足りない人間だとお考えでしょうが、これでも、いつか素晴しいお役に立つかもし....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
行から、命をかけたように見える結果になるだけのことだ、第一、意志の力なんてものは
取るに足りないもので、生きてゆく上の習慣が意志の力と見えるだけのことだ、というの....
「別れの辞」より 著者:豊島与志雄
い侮蔑が籠っていた。長尾はその侮蔑をまともに受けたに違いない。普通なら冗談として
取るに足りない言葉だっただけに、打撃が大きかったのだろう。彼は顔色を変えて、唇を....
「南さんの恋人」より 著者:豊島与志雄
筈だ。ただ、山根さんには多少不感症めいたところがあったかも知れないが、然しそれは
取るに足りないことだし、南さんにしたところで、ホテルの昨夜、殆んど何にも分らなか....
「父母に対する私情」より 著者:豊島与志雄
な感情に駆られたりする時、私はよく母のことを思い出した。すると私自身そのものが、
取るに足りないちっぽけなものになって、母の温い懐の中に飛び込んでいった。何かこう....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
うか? いや。光輝あるイギリスもいかめしきドイツも、ワーテルローの問題においては
取るに足りない。幸いなるかな、民衆は痛ましき剣戟《けんげき》の暴挙の外にあって偉....
「審判」より 著者:カフカフランツ
に苦しめられている。この嫌悪を晴らすことができないからである。いずれも、まったく
取るに足りないいちばん下っ端の行員なので、彼らに近づくことはきわめてむずかしい。....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
に上らないではない、之も亦日本文化や国民文学の一変形とならぬとも限らぬが、今の処
取るに足りない。 之に反して、一般に文化問題又特には日本文化の問題を、最も合理....