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取付き
「取付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
を取って中流へ出ます。そうするとお村は何《なんに》も言わずに友之助の膝《ひざ》に
取付き、声を揚げて泣きますから、友之助は一向何事とも分らぬから、兎も角も早く様子....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
前に見える。十町ばかり一目に見渡す青田のたんぼの中を、まっすぐに通った県道、その
取付きの一構え、わが生家の森の木間から変わりなき家倉の屋根が見えて心も落ちついた....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
取付く、そこにて松本の人(早稲田)大阪(ジュンレイ会か)の人二人に逢う。北穂高の
取付きは非常に悪き道なり、途中迷うことも多からむ、石の祠あり名刺入れの缶あり、自....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
ころへ、この鉄砲組の弾が左の首摺の間に中ったので、既に落馬せんとして、鞍の前輪に
取付き差うつむくところを、忠直卿の家士西尾|仁右衛門が鎗で突いたので、幸村はドウ....
「観画談」より 著者:幸田露伴
じめでもするように襲った。晩成先生もさすがに慌て心になって少し駆け出したが、幸い
取付きの農家は直に間近だったから、トットットッと走り着いて、農家の常の土間へ飛び....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
す早く此の場をお引取りなされ」 と云いつゝ短刀を右手の肋へ引き廻せば、おいさは
取付き嘆きましたが、丈助は立派に咽喉を掻切り、相果てました。それより早々其の筋へ....
「黒髪」より 著者:近松秋江
に腰を折って挨拶をしつつ、母親のあとから階段を上がっていった。すると、階段のすぐ
取付きは六畳の汚れた座敷で、向うの隅に長火鉢だの茶棚などを置いてある。そして、そ....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
に静かにしている。ついでに内の中の様子を見ると、この間は気がつかなかったが、すぐ
取付きの表の間には壁の隅に二枚折りの銀屏風を立て、上り口に向いたところにはまた金....
「変災序記」より 著者:田中貢太郎
ないので、シナ人の下宿の前へと往った。三四人の者が口口に何か叫びながら潰れた家の
取付きの所で騒いでいた。何事であろうかと思ってその傍へ寄って往った。 「どうした....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
す。最初は神尾の腕にとりすがってみたが、それを※《も》ぎ離されると、今度は着物に
取付きました。その着物が破れると、今度は井戸桁に
取付きました。井戸桁に取付いたの....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
より薬を取出して、汐水で庄藏の口に含ませましたが、もう口がきけませぬ、其処ら辺へ
取付きまして苦しむ途端に、固まったような血をカッと吐きまして、其の儘息が絶えた様....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
、見掛けが野呂間だから上客の側へは出せない。店先の仕事をさせよう。店先の袢天著は
取付き易いが、わけのわからぬことをくどくど喋舌り、漆濃く絡みつく奴が少くない。彼....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
るぞ」 多「えゝお父様か、あゝ逢いとうござりやした」 と云いながら泣出し、袴に
取付き、 多「もし、三年あと、お邸にまいった時に、貴方が己ア実の子じゃアない、全....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
かえし、右崖を攀じて峰稜を行く。根曲り竹の藪を三時間もかかりて潜り抜け、偃松帯に
取付きて、ほっと一と息つく。時計を見れば、午後四時十五分也。そろそろ野宿の用意を....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
と牛の如く、厳父の保護の下に生長し、それで学問させられ、それからして割のよい役に
取付き、二十|年以上の間も、暖炉も焚いてあり、灯も明るき無料の官宅に、奴婢をさえ....