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取出す
「取出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
また大怪我をしでかしそうであった。―― 果然、僕はポケットから小型の懐中電灯を
取出すが早いか、サッと第三の男の身体を照らした。 「あッ――」 「あッ――」 ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ひき出しから、白い四角な封筒をとりだし、封を破った。そして中から四つ折の書簡箋を
取出すと、開いてみた。そこには淡い小豆色のインキで、 「赤星ジュリア!」 とい....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
らぬ段取りとなったが、腹も減って、昼飯を一時間早く請求、これでようやく力を出して
取出すことが出来た。 中川君、昨日広島より帰京している筈のところ、今日夕刻に至....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ことです。すこしも怪しい点はない。元村へ来て泊っていたのも、別な手段でラジウムを
取出す方法を研究に来たわけで、あのトランクには関係がないです。これはよく分っても....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
くなっている。君はみえないのか」 これには袋探偵は目を瞠って、急いで懐中電灯を
取出すと、その灯を相手の胸へ向けた。彼は驚愕の声を懸命に嚥んだ。若紳士の左胸に捲....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ぐずしていりゃあの若い奴に締められちまう。貫一の決心はついた。いきなりピストルを
取出すと、がっちり覘ってぷすンと一発――消音装置がしてあるから、音は低い。 き....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
。 彼は再び椅子のうしろを廻って左の場所に取ってかえし、鞄の中から二三の道具を
取出すと、それを持って死体のうしろへ廻り、器具を使って傷口の観察にかかった。それ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
け出したのであった。
「さあ、今のうちだ」
新田先生は、蟻田博士の机から、鍵を
取出すと、いそいで廊下へ飛出した。その奥には、博士が秘密にしている部屋がある。
....
「怪塔王」より 著者:海野十三
「うん、ちょっと待ちたまえ。ためしてみるから。――」 塩田大尉は、ピストルを
取出すと、室内の天井めがけて、ずどんと一発放ちました。 かあんという、固いもの....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
はいけない。無電装置はぜひ入用だ。いいからすぐ全員をその方に向けて、なんとしても
取出すんだ」 「はい、承知しました」 船員は呼笛につれて、傾いた甲板の上を猿の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
れたような掠れた咳して、何かに目を転じて、心を移そうとしたが、風呂敷包の、御経を
取出す間も遅し。さすがに心着いたのは、障子に四五枚、かりそめに貼った半紙である。....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
だから、お飯にしよう。」 「はいはい、……」 身を起して背向になったが、庖丁を
取出すでもなく、縁台の彼方の三畳ばかりの住居へ戻って、薄い座蒲団の傍に、散ばった....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の噂、お縫は見たままを手に取るよう。 これこれこう、こういう浴衣と葛籠の底から
取出すと、まあ姉さんと進むる膝、灯とともに乗出す膝を、突合した上へ乗せ合って、そ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ものやて、にい……」 さて、袴を穿いた婆さんはいうのです。巻莨を吹かしますが、
取出すのが、持頃の呉絽らしい信玄袋で、どうも色合といい、こいつが黒い瓶に見えてな....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
……箪笥はもうない、古葛籠の底から、……お墓の黒髪に枕させた、まあね……御経でも
取出すように、頂いて、古着屋の手に渡りましたッて、お可哀相に。――」 と、さし....