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取合せ
「取合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
学生から、酒と煙草と淫売婦《いんばいふ》と質屋と左翼思想とを知らされました。妙な
取合せでしたが、しかし、それは事実でした。 その画学生は、堀木正雄といって、東....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けると、 「なるほど」 南条力はいい気になって頷《うなず》いてそれを聞いている
取合せが、奇妙といえば奇妙であります。ナゼならば、南条力は少なくともこのがんりき....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
々の大名たちの茶席を訪れた。そして由緒のある高貴な道具の数々と、そんなものを巧く
取合せていた茶席の主人の心遣とを味って、眼も心も幾らか疲労を覚えた頃、ふと見ると....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
も面倒だから、バスケットの中へ持参のウイスキイを一口。蜆汁にウイスキイでは、ちと
取合せが妙だが、それも旅らしい。…… いい天気で、暖かかったけれども、北国の事....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らいてえという言い分はどうしてもわからない。
味噌と唐紙とは、ついてもつかない
取合せです。それを易々《やすやす》と請合った道庵先生の返答もいよいよわからないが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しての米友も、先生の長身に加うるに、自分の短躯を以てしているから、いつもこういう
取合せには慣れているが、今日のは浪人が長い釣竿をかついでいるのに、米友は、短い例....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《のしめ》で日暮方という代物《しろもの》、昼時分という鳶八丈《とびはちじょう》の
取合せが乙じゃあございませんか。それにこれ下着が羊羹色《ようかんいろ》の黒竜門、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
陣笠をかぶって、洋鞍に乗り、田山は和装、例の大刀を横たえた姿が、例によって奇妙な
取合せであります。 それで二人は、九十九里の浜辺を、或いは轡を並べたり、或いは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 六十四 それからしばらく、侵入者は、さっぱりとした
取合せのよいお膳について、箸《はし》を与えられました。その傍らにお給仕役をつとめ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
顔を作った泰軒とが、妙なふうに肩を並べて歩き出したまではいいが、この二人の奇体な
取合せに、朝早くさく山の町へ用たしに出る百姓などが驚いて道をよけている。
「先生....
「窓にさす影」より 著者:豊島与志雄
戦争中兵隊に行って来た頑丈な兄と、どこか、神経質な蒼白い利光さんとは、似合わない
取合せだが、同じ年頃で、元から仲はよかった。 私は室を使われるのが嫌だったが、....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
うに立っているのを彼は見た。妙な絹帽をかぶった男で肩に大きな鋤を担いでいる。その
取合せが妙にかの寺男を思わせた。師父ブラウンはその聾の下男が馬鈴薯を掘るという事....
「画道と女性」より 著者:上村松園
や構図に思いを潜めた。そして、すでに出来ている徳川中期頃の町娘なのだから、それに
取合せるのにはやはり風俗は同じ頃がいいと思い、人物の年輩は嘗て帝展に出品した後ろ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
、ほんとうは正義の女神と勝利の女神とをひとつにしたんです」 「どうもあまりうまい
取合せじゃありませんね」と、Kは微笑しながら言った。「正義はじっとしていなくちゃ....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
う寄席のもとあったところである。古い煉瓦づくりの建物と古風なあげ行灯との不思議な
取合せをおもい起すのと、十一、二の時分たった一度そこで「白井権八」のうつし絵をみ....