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「取巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
わらじ》を穿《は》いた獣と思われた、いやさまざまにむらむらと家《うち》のぐるりを取巻いたようで、二十三十のものの鼻息、羽音、中には囁《ささや》いているのがある。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いたいね。 昨日も君の母様が来て、つくづく若様の不始末を愚痴るのが、何だか僕が取巻きでもして、わッと浮かせるようじゃないか。 高利を世話して、口銭を取る。酒....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なる証拠となることを認めた。彼はまた土星の形がときによって変化すること(この星を取巻く輪の位置による変化)、また金星(水星も同様であるが)が太陰と同様に鎌の形に....
海異記」より 著者:泉鏡花
くんでいるだね。 どこだも知んねえ海の中に、船さただ一|艘で、目の前さ、化物に取巻かれてよ、やがて暴風雨が来ようというだに、活きて働くのはこんの兄哥、ただ一人....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
公子 入道鮫が、何、(窓に衝と寄る。) 侍女一 ああ、黒鮫が三百ばかり。 侍女二取巻いて、群りかかって。 侍女三 あれ、入道が口に銜えた。 公子 外道、外道、そ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
るから。――もっと深入した事は、見たまえ、ほっとした草臥れた態で、真中に三方から取巻いた食卓の上には、茶道具の左右に、真新しい、擂粉木、および杓子となんいう、世....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
羽占地茸はな、野郎の鼻毛が伸びたのじゃぞいな。」 戻道。橋で、ぐるりと私たちを取巻いたのは、あまのじゃくを訛ったか、「じゃあま。」と言い、「おんじゃ。」と称え....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
するやら、向脛へ集る蚊を踵で揉殺すやら、泥に酔った大鮫のような嘉吉を、浪打際に押取巻いて、小田原|評定。持て余しておりました処へ、ちょうど荷車を曳きまして、藤沢....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
先生の住居だった。 (お客様。)と云う女の送りで、ずッと入る。直ぐそこの長火鉢を取巻いて、三人ばかり、変な女が、立膝やら、横坐りやら、猫板に頬杖やら、料理の方は....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
としたのを敷込んだが、日に乾くか、怪い陽炎となって、むらむらと立つ、それが舞台。取巻いた小児の上を、鮒、鯰、黒い頭、緋鯉と見たのは赤い切の結綿仮髪で、幕の藤の花....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
身に、颯と流るる襦袢の緋鹿子。 プラットフォームで、真黒に、うようよと多人数に取巻かれた中に、すっくと立って、山が彩る、目瞼の紅梅。黄金を溶す炎のごとき妙義山....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
む。 ――夜、その小屋を見ると、おなじような姿が、白い陽炎のごとく、杢若の鼻を取巻いているのであった。 大正七(一九一八)年四月....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
―茶碗酒です。 門内の広庭には、太神楽が、ほかにもう二人。五人と揃って、屋台を取巻いて、立ったり、踞んだり、中には赤手拭をちょっと頭にのせたのも居て、――これ....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
来い」といって、私は縦横倶楽部の事務所に連れられて行った。柔道部の連中が大勢私を取巻いて、「お前、社会主義者に煽動されて、ああいう大会をやったんだろう、怪しから....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
のやとった暴力団が鉱夫長屋に押しかけてきた。暴力団はワイワイわめきながら、長屋を取巻き、石を投げたり、竹槍で無茶苦茶についてまわる。私はこれはヤラレたと覚悟した....