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取巻き
「取巻き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取巻きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
十六年前、貴子が銀座の某サロンで働いていた頃のことだ。その頃貴子は、文士や画家の
取巻きが多く、 「明日はスタンダールで来い」 と、言われると「赤と黒」の二色の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ます」 「それはよく存じませんが、なんでも太鼓持や落語家《はなしか》の芸人なぞを
取巻きに連れて、吉原そのほかを遊び歩いているように聞いて居りますが……」 「大店....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いたいね。 昨日も君の母様が来て、つくづく若様の不始末を愚痴るのが、何だか僕が
取巻きでもして、わッと浮かせるようじゃないか。 高利を世話して、口銭を取る。酒....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
すぎず――彼のいちばん暗い悪徳も無頓着な血気にまかせてする放蕩にすぎない(と彼の
取巻き連の言う)あのウィリアム・ウィルスン――がそういうようなことをしようと疑う....
「雷」より 著者:海野十三
になって帰郷してきたこと。もう一つは、村での物嗤いの道楽者松屋松吉が、北鳴四郎の
取巻きとなって、どこから金を手に入れたか、おんぼろの衣裳を何処かへやり、法被姿な....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
と昨夜も、貴方を隣桟敷へ御案内申したんです。 附込みでね、旦那と来ていました。
取巻きに六七人|芸妓が附いて。」 男衆の顔を見て、 「はあ、すると堅気かい、…....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
小走に入りましたのが、やっぱりお供の中だったと見えまする、あのお米で。 卓子を
取巻きまして御一家がずらりと、お米が姫様と向う正面にあいている自分の坐る処へ坐ら....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
さん、遊ばしてあげておくれ。」 「はい。」 ばらばらと女ども五六人、二人を中に
取巻きたり。小稲と云うがまず笑いて、 「若お師匠様、おめでとう存じます、おほほほ....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
の方からも同じような笛の音が聞こえて来た。 「チェ」 と男は舌打ちをした。 「
取巻きゃアがったな」 「何よ?」 とお蘭は聞き咎めた。 「取巻いたって?」 「....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
は――。 豹吉を取り巻いている隼団の連中を兵古帯のお加代をはじめ青蛇団の連中が
取巻き、龍太の拳銃とお加代の拳銃が虚々実々の阿※の呼吸をはかりながら、今にも火花....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
桜が、影の映るまで満開です。おかしい事には、芸妓、舞妓、幇間まじり、きらびやかな
取巻きで、洋服の紳士が、桜を一枝――あれは、あの枝は折らせまい、形容でしょう。―....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
こは山蔭の土の色鼠に、朽葉黒かりし小暗きなかに、まわり一|抱もありたらむ榎の株を
取巻きて濡色の紅したたるばかり塵も留めず地に敷きて生いたるなりき。一ツずつそのな....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
、司令官の流儀の新しいおだやかな方針は私のとは別な考えかたをしています。司令官の
取巻きのご婦人がたは、受刑者がつれてこられる前に、首のところまで砂糖菓子をつめこ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
きには、同時代の人々の熱誠な尊敬を一身に集めることに満足したが、年とった彼女がお
取巻きの若い男たちに要求し――そして受け取ったものは、ロマンチックなくぜつ言の夢....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
のやとった暴力団が鉱夫長屋に押しかけてきた。暴力団はワイワイわめきながら、長屋を
取巻き、石を投げたり、竹槍で無茶苦茶についてまわる。私はこれはヤラレたと覚悟した....