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取廻
「取廻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取廻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
子でございますかい。」と莞爾する。 門附は手拭の上へ撥を置いて、腰へ三味線を小
取廻し、内端に片膝を上げながら、床几の上に素足の胡坐。 ト裾を一つ掻込んで、 ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
舞繞る鼓に翼あるものらしい、その打囃す鳴物が、――向って、斜違の角を広々と黒塀で
取廻わした片隅に、低い樹立の松を洩れて、朱塗の堂の屋根が見える、稲荷様と聞いた、....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
頭痛持は血が上るほど耐《こら》え切れないのが、例の下を向いて悠々《ゆうゆう》と小
取廻《ことりまわ》しに通抜《とおりぬ》ける旅僧は、誰《たれ》も袖を曳《ひ》かなか....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
いと触ってみて、埋けてあった火を一挟み。 番煙草と見ゆるのに、長煙管を添えて小
取廻しに板の間へ押出した。 「まあ、一服おあがんなさい。」 さほど思案に暮れる....
「春昼」より 著者:泉鏡花
知っていますとも。毎日のように遊びに出ますもの、」 「あの橋の取附きに、松の樹で
取廻して――松原はずッと河を越して広い洲の林になっておりますな――そして庭を広く....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
る床の上へ、二ひら三ひら、申訳だけの緋の毛布を敷いてある。その掛茶屋は、松と薄で
取廻し、大根畠を小高く見せた周囲五町ばかりの大池の汀になっていて、緋鯉の影、真鯉....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
小屋が今あらば、その潦ばかりだけれども、深翠に萌黄を累ねた、水の古さに藻が暗く、
取廻わした石垣も、草は枯れつつ苔滑。牡丹を彫らぬ欄干も、巌を削った趣がある。あま....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
を見る、と何と、一軒家の門を離れた、峠の絶頂、馬場の真中、背後へ海のような蒼空を
取廻して、天涯に衝立めいた医王山の巓を背負い、颯と一幅、障子を立てた白い夕靄から....
「妖術」より 著者:泉鏡花
やがて蝶が番になった。 内は寂然とした。 芸者の姿は枝折戸を伸上った。池を
取廻わした廊下には、欄干越に、燈籠の数ほど、ずらりと並ぶ、女中の半身。 蝶は三....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
貴夫人
上品だとは申されなくても、好い男ですわね。
第六の貴夫人
も少し
取廻が功者だったら、猶好いでしょうね。
騎士
なんだか身分は羊飼の若い者....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
れぬものの其角曰くまがれるを曲げてまがらぬ柳に受けるもやや古なれどどうも言われぬ
取廻しに俊雄は成仏延引し父が奥殿深く秘めおいたる虎の子をぽつりぽつり背負って出て....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
て見えますが、色ある花は匂い失せずの譬え、殊に以前勤めを致した身でございますから
取廻しはよし、永禪和尚の法衣を縫い直すと申して、九月から十月の中頃まで泊り切りで....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
《ゆ》り上《あげ》ると腹の大きさは斯様《こんな》になります、飴細工の狸みた様で、
取廻しの処へ銀拵《ぎんごしら》えの銅金《どうがね》の刀を帯《さ》し白地の手拭で向....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
客があるから女房のお村を働きに貸してくれとの頼みです。以前芸妓だそうで定めて座の
取廻わしも好かろう、当家には三味線《さみせん》がないから持参で夫婦揃って来て、客....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
才ない。今度の奥さんはミッション・スクウルを出た婦人で、先生とは大分年は違うが、
取廻しよく皆なを款待《もてな》した。奥さんは先生のことを客に話すにも、矢張「先生....