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取手
「取手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
けっく蕎麦だけ余計につかわされて悄気返る。その夜、故郷の江戸お箪笥町引出し横町、
取手屋の鐶兵衛とて、工面のいい馴染に逢って、ふもとの山寺に詣でて鹿の鳴き声を聞い....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
岩角を掴んでトラバースしているとき、腰のバンドに取付けていた懐中電灯が岩にふれて
取手の付いた蓋の方を残してカランカランと音を立てながら谷底へ落ちてしまった。仕方....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ような花だ。……おや、裏手へ廻りやァがる。へ、篦棒! 負けるものか!」 円筒に
取手が付いていた。その
取手をキリキリと廻わした。連れて円筒がグルリと廻った。家の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
うしてきちんとした服と帽子に身なりをととのえた運転手が立っていて、扉についている
取手を、がたんとまわすと、その扉をあけた。
この運転手は、運転台へ乗りこむつも....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、手をかえるとまた他のがググ。 心あって鳴くようで、何だか上になった、あの蔕の
取手まで、小さな角らしく押立ったんです。 また飛出さない内に、と思って、私は一....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
から人手へ渡って、あとでは立ちぐされも同様。でも、それも、不景気で、こぼし屋の引
取手もなしに、暴風雨で潰れたのが、家の骸骨のように路端に倒れていますわ。 母は....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
してくやむところなし、とあれば、他人が気に病む境地ではないらしい。 私は以前、
取手という利根川べりの小さな町に住んだことがあった。ここは阪東三十三ヵ所だか八十....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
外套の内隠しへしっかりと蔵いホッと初めて吐息をしてそのまま隣室の扉へ行ってドアの
取手に手をかけた。しかし女が捻らない先に鉄の
取手がガチャリと鳴って扉が向側から押....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ても、部屋の豪奢が知れようではないか。 座には熊の皮が敷きつめられてあり、襖の
取手の象嵌などは黄金と青貝とで出来ていた。 「それにいたしましても高萩では、とん....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、客は立ったままコップを握り勝手に塩カラをつまんでのむ。 茨城県の利根川べり、
取手界隈ではこの居酒屋のコップ酒を「トンパチ」という。この辺では昔からの通称らし....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
四つの鋭い眼が引込んで道路は再び無慈悲な爆音に蹴立てられる。 この提げ菓子皿の
取手は伊太利フローレンスで買った。ダンテとベアトリーチェがめぐり合ったというアル....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
そうだよ」と、男はいった。 カルルはまだためらっていた。すると男は不意にドアの
取手をつかみ、ドアを素早く閉めるとともにカルルを引きこんでしまった。 「通路から....
「城」より 著者:カフカフランツ
かった。そのとき、フリーダは急いで外側の窓を閉めた。だが、そのうしろで、手を窓の
取手に置き、頭を横に傾け、大きく眼を見開き、こわばったような微笑を浮かべて、たた....
「変身」より 著者:カフカフランツ
れなら鍵屋はいらなかったわけだ」 そして、ドアをすっかり開けようとして、ドアの
取手の上に頭をのせた。 彼はこんなふうにしてドアを開けなければならなかったので....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
云う外はあるまい。
それからお前達器械だがな、車の輪や櫛の歯のような物、
熨斗の
取手のような物やロラアから出来ている器械だがな、
お前達も己を馬鹿にしているに違....