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取換え
「取換え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取換えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
嗚の心の中には、狂暴な怒が燃え立っていた。
「この勾玉は――おれが――おれが馬と
取換えたのだ。」
「嘘をつけ。これはおれが――」
「あの娘に」と云う言葉が、何故....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
台を上って、玄関に一足踏み込むと、 「この畳は?」と、下を見た。 「はっ!」 「
取換えた畳か?」 「はっ!」 「何故、繧繝縁《うんげんべり》にせぬ?」 人々は....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
かかって菜種を五、六升も取った。それからその菜種を持っていって、油屋へ行って油と
取換えてきまして、それからその油で本を見た。そうしたところがまた叱られた。「油ば....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
が久松の耳に這入りました。初めておふくろの病気をみていた小池という医者が、途中で
取換えられたのを面白く思っていなかったのでしょう、それに同商売|忌敵というような....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
くさんのなかですから、きっとお書き落しになったに相違ありません。あとで気がつけば
取換えて下さるでしょう。いいえ、きっと
取換えてくださいます。」 「しかし気がつく....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
すと、なお濡れた。 うっかり渡そうとして、「まあ、」と気づいたらしく、「あれ、
取換えますから、」――「いや、宜しい。……」 懐中へ取って、ずっと出た。が、店....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
う。その時日は暮れていた。彼は輝ける電球を消し球をはずして、今修繕して来たものと
取換えた。なるほど不思議に輝いた。今一個のものも他の電球へ取りつけた。それも直ち....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
だよ。」 「あい、いいえ、それが何だ、知事のお嬢さんがね、いやに目をつけて指環を
取換えようなんて言うんだ。何だか機関を見られるようで、気がさすから、目立たないの....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
これでも何かの役に立つかと思って、言葉の誤りは一字もなおさず、記事中の姓名だけを
取換えて一篇にまとめてみた。書名は本人平癒後自ら題したもので、そのまま用いた。七....
「博物誌」より 著者:岸田国士
るだけだ。どちらもいい気持でじっとそうしている。水でからだが暖まる。その水は誰も
取換えたりはしない。ただ暴風雨の日にひとりでに新しくなるだけだ。 雄はその平べ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
。 その訴訟のうちに、いかに大切な宝であるとしても、人間ひとりの命を一枚の皿と
取換えようとするのは、あまりに無道の詮議であるというような意味を権次は洩した。 ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ても敲いても媽々は出ねえ。本来なら龕に納めて、高い処に奉って、三度三度、お供物を
取換えて、日に一度だけ扉を開いて拝んでいなけりゃ罰が当ら。…… 処を……ありが....
「当今の劇壇をこのままに」より 著者:岡本綺堂
みもするが、婦人などは「死んでも妾は飲まない」などと随分と強硬なのがある。生命と
取換えの事がそれである。どっちかといえば、見ても見ないでもいい芝居を、いくら良い....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
郷里の糟糠の妻を忘れた新らしい婢妾は権妻と称されて紳士の一資格となり、権妻を度々
取換えれば
取換えるほど人に羨まれもしたし自らも誇りとした。 こういう道義的アナ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
付け出して買って来ると、其品を寺へ持帰ってほかの小僧を欺かして売るとかほかの物と
取換えるです。
そういう風で誰もが商売をする。ただ商売をしないのはいわゆる不具....