取次ぐ[語句情報] »
取次ぐ
「取次ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取次ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
で、まず十四等官は十二等官に報告し、十二等官は九等官なり、または他の適当な役人に
取次ぐという具合にして、最後にやっと用件が彼のところへ到達するようにしていたので....
「富士」より 著者:岡本かの子
しんだ。ときどきは神秘に属する無理な人間の願事《ねぎごと》をも土民はこどもに山へ
取次ぐよう頼んだ。こどもは苦笑しながら、しかし引受けた。冥通の力によって山に土民....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
しっとりとしめっていた。 信西入道はすぐに逢ってくれた。千枝太郎が師匠の口上を
取次ぐと、信西は案外にこころよく承知した。 「おお、さもあろうよ。一度は仕損じて....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
な冗談などを時どきに言って、女どもに笑われた。 「あの、お客様が……」 お雪が
取次ぐひまもなしに、一人の若侍が足音あらくこの席へ踏み込んで来た。 「兄上、兄上....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
歯痒がる。 勇を鼓して出掛けた日が、先生は、来客があって、お話中。玄関の書生が
取次ぐ、と(この次、来い。)は、ぎょっとした。さりとて曲がない。内証のお蔦の事、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
方たちになんでも好きな飲みものでも取ってあげなさい」 むす子がかの女の言付けを
取次ぐと、めいめいおとなしく軽いアルコール性の飲みものを望んだ。 遠慮の幕一重....
「河明り」より 著者:岡本かの子
小薩張りした服装に改めた店員が、膳を運んで来た。小おんなのやまは料理を廊下まで
取次ぐらしく、襖口からちらりと覗いて目礼した。 「お見かけしたところ、お父さまは....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
六人に大木を舁かせていて、御主人にお目通りを願うという。門番もこばみかねて主人に
取次ぐと、李公も不思議に思って彼に面会を許した。 「わたくしの家では三代前からこ....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
膳、風呂敷など台所へ。欣弥は一室に入り、撫子、通盆を持って斉しく入る。 その (
取次ぐ)はい。 白糸 (じろりと、その髪容を視む)村越さんのお住居はこちらで? ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
出す。これには何故か御毒見はない。尤もこの坊主は、御居間へは出られないから小姓が
取次ぐのである。世子の膳具は黒の漆塗りに金で蒔絵がしてあって、中は朱であった。膳....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
たえたものです。子供を相手に絵本の話をしてやってる所でしたが、女中が彼女の名刺を
取次ぐと、僕はいきなり玄関へ出て行って、どうぞお上りなさい、と云って、それからま....
「多神教」より 著者:泉鏡花
がて、欄干擬宝珠の左右に控う。媛神、立直りて)――お沢さん、お沢さん。 巫女 (
取次ぐ)お女中、可恐い事はないぞな、はばかり多や、畏けれど、お言葉ぞな、あれへの....
「審判」より 著者:カフカフランツ
。 「スープを飲み終ったら、できるだけ早くあなたを取返せるように、あなたのことを
取次ぐわ」 「行きたまえ」と、Kは言った。「行きたまえ」 「もっと親切にするもの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
かするのじゃない。
これはパーリー城とチョェテン・カルポ(白塔)城の間の手紙を
取次ぐ場所で、ここまで一方から手紙を持って来ると、その手紙を持って一方の城へ行く....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
勇気を失っていたが、昭和十三年夏病気のため辞表を提出した際、上官から辞表は大臣に
取次ぐから休暇をとって帰国するよう命ぜられたので軽率な私は予備役編入と信じ、九月....