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「取膳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取膳の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
も御声が咽喉《のど》へ乾《ひから》びついたようになります。そうなると、旦那様と御取膳《おとりぜん》で御飯を召上る時でも、口を御|利《き》きなさらないことがありま....
婦系図」より 著者:泉鏡花
草盆から一服吸って、小芳はお妙の声を聞くのを、楽しそうに待つ顔色。 お取膳 二十四 その時お妙の言というのが、余り案外であったのから、....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
てしまいます。そこで今度は同じ番頭が店から家《うち》へ帰って、神《かみ》さんと御取膳《おとりぜん》か何かで、晩酌をやる。すると今度は飲みますね。けっして吐き出し....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
れて拠《よん》どころ無く、薄気味わるわる降りてみれば、お政はもウ帰ッていて、娘と取膳《とりぜん》で今食事最中。文三は黙礼をして膳に向ッた。「もウ咄したか、まだ咄....
春昼」より 著者:泉鏡花
出すべき仁でないと思いました、果せる哉。 冷奴に紫蘇の実、白瓜の香の物で、私と取膳の飯を上ると、帯を緊め直して、 (もう一度そこいらを。) いや、これはと、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の桐の疑点とを物語ると、聞いていたお絹の面に、安からぬ色が浮びます。 二人がお取膳で御飯を食べてしまってから、福村は、 「御大もこっちへ、出て来たいには来たい....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
ざいますから……誠に御無沙汰致しました」 美「もし此方へお上んなさいな」 三「お取膳で、八寸を四寸ずつ喰う仲の善さ、という川柳があります」 美「何をえ」 三「何....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
給え、君の為に成らんから」 茂「誰も然う云うが、何うも自分の好いた女と、一ト処で取膳で飯でも喰わなけりゃア詰らんからね、何も熱く成ってると云う訳じゃア無いが、僕....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 竜之助は起き上りました。 そこで、炬燵櫓《こたつやぐら》の上で、二人はお取膳《とりぜん》の形で、安倍川を食べにかかりました。 竜之助は、これは無邪気な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その翌朝、昨夜の侵入者と、この庵《いおり》の主《あるじ》なる若い老尼とは、お取膳で御飯を食べました。 初茸《はつたけ》の四寸、鮭《さけ》のはらら子、生椎茸....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
んな事もあるものですか、妙だね、ふふふで聞き流いて、お能の姉さんと面白そうに、お取膳で何か召あがっておいで遊ばすような事もあるまいと思われる。な、あんた。」 ....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
、そのためなので。それにしてもどうして露路へ逃げ込んだ私が、そんな家で、お柳と、取膳で、酒など飲んでいたのかと申しますに、私は、露路へ逃げ込むや、その家――それ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
登和さんが家へ来てしまえば三度三度|美味《おいし》い御馳走を拵えて二人で仲好くお取膳《とりぜん》で食るけれども」雇婆「オホホお楽《たのし》みでございますね」主人....