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取舵
「取舵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取舵の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
に手を動かしながら、早口で何か船頭に云いつけた。すると、伝馬はどうしたのか、急に
取舵《とりかじ》をとって、舳《みよし》を桜とは反対の山の宿《しゅく》の河岸《かし....
「取舵」より 著者:泉鏡花
、 「南無金毘羅大権現!」と同音に念ずる時、胴の間の辺に雷のごとき声ありて、 「
取舵!」 舳櫓の船子は海上|鎮護の神の御声に気を奮い、やにわに艪をば立直して、....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
初よりも狂いがひどく入って来たので、敵艦隊は、明かに狼狽の色を見せはじめた。 「
取舵一杯」 司令艦の衣笠から青葉、古鷹という順序で見る見るうちに、艦首が左へ、....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
足が速過ぎるぞ。少し面舵、――そうだ、――ようそろ(註七四)、――面舵、――少し
取舵、――ようそろ、――ようそろ!」 そんな風に彼は命令を下すと、私は息もつか....
「十六、七のころ」より 著者:永井荷風
んだ。誌上に誰やらの作った明治小説史と、紅葉山人《こうようさんじん》の短篇小説『
取舵』などの掲載せられていた事を記憶している。 二月になって、もとのように神田....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
祝砲をはなった。そして、 「我れ南洋カムデン軍港に帰る」 と、信号旗をかかげ、
取舵一ぱいくるりと左へまがると、そのまま全艦隊をひきいて、南の方へ逃げて行った。....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ウ――と川上から二番貝。 卍丸は徐々と川口へ向って辷りだしてくる。そして、やや
取舵に一の洲の杭とすれすれに鏡の海へ泛かみかけた。啓之助の船は、脇備えの形をとっ....