取逃がす[語句情報] » 取逃がす

「取逃がす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取逃がすの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
暗黒公使」より 著者:夢野久作
満ちた顔を見廻しながら私は冷やかに笑った。 「うっかりしていた。もう少しで犯人を取逃がすところだった……」 「……………」 「誰か最近の新聞で、横浜と、神戸と…....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
これが金毛九尾の古狐で、今度の事件の一番奥から糸を操っている黒頭巾だ。君等がよく取逃がす呑舟の魚という奴だ。……ハッハッ知らなかったろう。彼奴の若い時は例の郡司....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
……」 私は冷然と笑った。その私の前後左右に勢を得た暴力団員が立塞がった。私を取逃がすまいとするかのように……。 その隙に巨漢は、素早く身を屈めて印度人の手....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
た事があると云うものは、あの供がいるから、是れを聞き付け喋られると、お國源次郎を取逃がすような事になろうも知れぬから、こうと……」 思案して、 「私は明日の朝....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んでした。 それでも、お松の方もまた、与八ひとりのために、この幸福と、必然とを取逃がすわけにはゆかない人間以上の引力を、如何《いかん》ともすることができません....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
用心が足りませんと、飛んだ恥を掻くようなことがあったり、またみすみす大事なものを取逃がすようなことがないとも限りません、あの里ばかりは別な世界でございますからな....
審判」より 著者:カフカフランツ
ったくたいしたことではないでしょう。ところがあなたは、そのために二、三人の友達を取逃がすかもしれない。そうなることを僕は望みませんね。まああなたは、連中に対する....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
まなくただすことになる。その前に、十分わしも怪しい奴を睨んでおくから、万が一にも取逃がすことはなかろう」 三位卿が兵書の中から理窟をひいて、これなら必ず弦之丞....