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取違え
「取違え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取違えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
リーダー等と穂高縦走をやったが、その日は大変荒れて雨が降り風も吹いたため、尾根を
取違えて迷い廻ったこと三日間、いかな山男も運を天にまかせてしまったほどだと言って....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、肩へ、頤をつけるように、唇を少し曲げて、その涼い目で、熟とこちらを見返ったのが
取違えたものらしい。私が許の客人と、ぴったり出会ったでありましょう。 引込まれ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
も七たび捜して人を疑ぐれという通り、紛失した百両の金子が出たよ、金の入れ所は時々
取違えなければならないものだから、己が外へ仕舞って置いて忘れていたのだ、皆に心配....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
と云い、額の疵と云い、榊原の家来で水司又市様と仰しゃいましたから、同じお名前故に
取違えましたのでございます」 太「やア是ははや是ははや、私は水司又市じゃアない、....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
てから話したように思うが、たしかそうだったね。 それについてだが、乃公は滑稽な
取違えをしていながら、それに気がつかないで、真面目くさって君に話をしたように覚え....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
に何じゃやら、頻に空を仰いでござる。 「唐突に笑うから、ははあ、この団子も看板を
取違えたのかと思ったんだよ。」 「ええ、ええ、いいえ、お前様、」 とこざっぱり....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
田毎の月ともあろうものが、こんな路で澄ましているって法はありません。きっと方角を
取違えたんでしょう。お待ちなさいまし、逆に停車場の裏の方へ戻ってみましょう。いく....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
に著しい特徴はありません。病院の産室では、往々取扱うものの不注意や思い違いから、
取違えないとも限らないのです。それ故、病院では、着物に糸で印をつけたり、或いは番....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
方には途中ではぐれてしまって、彼ひとりが雨のなかを湿れて走った。しかも方角をどう
取違えたか、彼は千住に出た。千住の大橋は官軍が固めている。よんどころなく引っ返し....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
りでも試めされているのは彼自身の生命ではなく患者の生命なのである。ここのところを
取違えてもらいたくない。学問という名に隠れて良心を失うのは容易である。 私は昨....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
郎の甲走った声で。 「曲漢ッ」と呼わった。 「御免下さりませ。つい暗いので部屋を
取違えて」と聴き馴れぬ女の声が、室の一隅で起った時に、悲鳴に驚いて店の方からお幸....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
いがあると、私が、先生に申訳がありません。」 「おおん、何か、私の饒舌った意味を
取違えているようだけれど、いいさ、珍らしく飲むのも可かろう……注ぐよ。」 「なみ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
するだ。 思案をするじゃが、短気な方へ向くめえよ、後生だから一番方角を暗剣殺に
取違えねえようにの、何とか分別をつけさっせえ。 幸福と親御の処へなりまた伯父御....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
屋です。」 「先生は、紅屋の鑑定家なのかなあ。まるで違ってる。これは細露地を一つ
取違えた……」 「ははは、大丈夫。いらっしゃい。――あすこに紅屋の息子さんが坐っ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
伽藍のまわりを一まわりした。相手はどこにも見あたらなかった。支店長が時間の約束を
取違えたのだろうか? だがおよそ誰であってもあんな人間の言うことを正しく理解でき....