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取除く
「取除く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取除くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
雪の溶けるのを待ち切れず、江州椿坂までの山間の雪を人夫をして除かせた。しかし折角
取除く一方から、又降り埋もれてその甲斐もなかった。何時までも、それだからと云って....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
不正競争』と呼ばれているところのものを廃滅しなければならないのだ。これ等のものを
取除くのは、特に君達でなければならないのだ。何故なら、それらのことをやるのは君達....
「心ひとつ」より 著者:宮本百合子
。 従来の誤った結婚観念、習慣、制度を改正し、簇出しつつある多くの不正、不幸を
取除くために正当な離婚法が制定されることは急務です。然し、究極に於て各人の叡智と....
「獏鸚」より 著者:海野十三
したほどだった。――いい塩梅に精巧なクロノメーター式の導火装置は、帆村と私の手で
取除くことができた。だが爆発までに余すところはたった三時間だったのである。もしも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
手を振ったことでしょうが、いずれも知らぬが仏でした。 塚にさしひびかないように
取除くならば、あの一枚を引抜いてもよかろうではないか、そのあとへ、別のしかるべき....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、どんな感じがするだろう、と白雲はそれを考えました。 そうして、次にその一枚を
取除くと、従って現われた第二枚。 「うーむ」 それを白雲は、またも長く唸《うな....
「光は影を」より 著者:岸田国士
。しかし、一方、お前もまた、このまゝ、わしどもの世話になつているという心の負担を
取除くことができるわけだ。東京の実家でも、ひとりになつたお前を見捨てゝおくような....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
惑に抗し得たであろう。感覚的快楽の劣等性を証明せんがためにそれから一切の附属物を
取除くというのは、磁石からその磁石の最も本質的な原因のあるものを取除いて、しかる....
「P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
ことですから、小母さんの為には、どんな事でもして吃度《きっと》小母さんの御心配を
取除くに違いありません。然し一体それはどんな手紙でしょう」 坂口は霎時していっ....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
肺臓問題は比較的簡単に解決をつけることが出来ました。 で、人工肺臓の炭酸瓦斯を
取除く部分は直接大静脈に結び、炭酸瓦斯を取り除かれた血液は人工心臓即ち喞筒の中に....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
新後神仏判然の時代となり仏教系の神を棄てた、八坂神社の前に牛頭天王と書いた額面は
取除くことを忘れた。 牛頭天王と素盞嗚尊とうまいぐあいに関係を付けたと思います....
「審判」より 著者:カフカフランツ
されないし、裁判所は一度告訴したとなると、被告の罪について固く確信し、この確信を
取除くことは容易でない、ということではみな一致していますよ」 「容易でないですっ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
横紙破りの祝言だ。媒灼も何も要った物ではない。どれ、藤を進げますから。と例の被を
取除くれば、この人形は左の手にて小褄を掻取り、右の手を上へ差伸べて被を支うるもの....
「撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
、予期した通路どころか、大きな切石が背中を見せて塞がっていたというのだ。 石を
取除くにはあとまだたっぷり五、六時間かかるとわかったとき、もはや完全に断念するほ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ありません。 要は、苦労は苦労として冷静にその原因、性質を見究め、勇敢にこれを
取除く手段や生活法を取って、さて新しい気持ちで次の経験に向うのであります。苦労に....