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受け取
「受け取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受け取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
やって来た。アローは口を酸くして、いろいろ説いたが、どうしてもファラデーに俸給を
受け取らせることが出来なかった。ファラデーは片手にサー・アローの手を、片手にチン....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かりしたように横坐《よこずわ》りになった。その間《あいだ》に神山は、彼女の手から
受け取った果物の籠をそこへ残して、気忙《きぜわ》しそうに茶の間を出て行った。果物....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
調子で、こう言った。が、自尊心の強い馬琴には、彼の謙辞をそのまま語《ことば》通り
受け取られたということが、まず何よりも不満である。その上平吉の遠慮するような調子....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
かったから、不用の書物を二冊渡し、これを金に換《か》え給えと云った。青年は書物を
受け取ると、丹念《たんねん》に奥附《おくづけ》を検《しら》べ出した。「この本は非....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
た。
「じゃこれもつまらないか?」
譚は後にいた鴇婦の手から小さい紙包みを一つ
受け取り、得々とそれをひろげだした。その又紙の中には煎餅《せんべい》位大きい、チ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
何日かである。二十八日の月給日に堀川教官殿と書いた西洋封筒《せいようふうとう》を
受け取るのにはかれこれ二週間も待たなければならぬ。が、彼の楽しみにしていた東京へ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
鑑識《かんしき》に疎《うと》いのを隠したさに、胡乱《うろん》の言を並べるとしか、
受け取れなかったからなのです。
翁はそれからしばらくの後《のち》、この廃宅同様....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《ないし》はまた馬の一匹なり、君の手にはいった方が――」
「ですがね、もし先方が
受け取らないと云ったら、私はこの玉を素戔嗚尊へ返さなければならないのですよ。」
....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
ました。のみならず門番が、怖《こ》わ怖《ご》わその子を抱いて来ると、すぐに自分が
受け取りながら、「おお、これは可愛い子だ。泣くな。泣くな。今日《きょう》からおれ....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
を予想しているとも思われないからその点だけは甚だ安心している。が、もしこの手紙を
受け取ったとすれば、君は必ず僕の運命に一驚《いっきょう》を喫《きっ》せずにはいら....
「春」より 著者:芥川竜之介
決だけはつけなければならぬと思っていた。
この問題を広子の知ったのは四五日前に
受け取った辰子の手紙を読んだ時だった。広子は年ごろの妹に恋愛問題の起ったことは格....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
すが、まだ二百貫ほど不足でしたから、今夜はそれを持って来ました。どうかこの包みを
受け取って下さい。また昨日《きのう》までに集めた金は、あなた方御夫婦も知らない内....
「或る女」より 著者:有島武郎
あぐらをかいて正面から葉子を見すえながら、
「行って来ました。船の切符もたしかに
受け取って来ました」
といってふところの中を探りにかかった。葉子はちょっと改ま....
「或る女」より 著者:有島武郎
んをこっちにお貸し」
しばらくしてから葉子は定子を婆《ばあ》やの膝《ひざ》から
受け取って自分のふところに抱きしめた。
「お嬢さま……私にはもう何がなんだかちっ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
苦しい、しかし当然な正しい生活として、誇りもなく、矯飾もなく、不平もなく、素直に
受け取り、軛にかかった輓牛のような柔順な忍耐と覚悟とをもって、勇ましく迎え入れて....