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受け売り
「受け売り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受け売りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
」
譚は忽《たちま》ち黄六一の一生の悪業を話し出した。彼の話は大部分新聞記事の
受け売りらしかった。しかし幸い血の※《におい》よりもロマンティックな色彩に富んだ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
ではなかろうと思う。ところが東洋の哲学を咀嚼《そしゃく》しないで単に西洋の哲学の
受け売りをして、翻訳的、紹介的に煩瑣なる羅列を試み、鸚鵡《おうむ》的にくり返すと....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
は両足をふんばり、腕を組んで、興奮しきった顔をして、刑事から聞いてきたという話を
受け売りしていた。が、本庄の顔を見るといきなり手を握って、 「例の一件から、遂々....
「獄中記」より 著者:大杉栄
るそうだぜ。」 僕はすぐそばにいた荒畑に、きのう雑役の囚人から聞いたそのままを
受け売りした。幾回かの入獄に、僕等はまだ、塩鱈と塩鮭との外の何等の魚類をも口にし....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
して子々孫々に伝えている。それを当代の大原君がかつて話してくれたので、僕は今その
受け売りをするわけであるから、多少の聞き違いがあるかも知れない。その話は大体こう....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
人があったので、それからいろいろの捕物の話を聞かされたと云うのである。 「これは
受け売りですよ。」 こう断わって、老人は「半七捕物帳」の材料を幾つも話して聞か....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くれた。江戸時代の探偵物語を読む人々の便宜のために、わたしも少しばかりここにその
受け売りをして置きたい。 「捕物帳というのは与力や同心が岡っ引らの報告を聞いて、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
悲劇喜劇のなかでは余ほど毛色の変った方ですから、自分のことじゃありませんけれど、
受け売りの昔話を一席弁じましょう。このお話は、その隠密の役目を間宮鉄次郎という人....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
とに置いたのである。これだけのことは郵船会社の案内記にも書いてあるので、僕はその
受け売りをして聞かせると、早瀬君はうなずいた。 「そうです、そうです。わたしもそ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
阿たちの立場を一層極端にしてくる。東常縁は尭孝から右の『井蛙抄』の訓えをそのまま
受け売りされて随喜しているのであって、『東野州聞書』につぎのように記している、「....
「弦斎の鮎」より 著者:北大路魯山人
る。彼らの著書をみれば一目瞭然である。一般的にいえば、彼らの著書の内容は、辞書の
受け売りや他人の書物のつぎはぎで、著者自身の舌から生み出された文章はまったく稀で....
「中庸」より 著者:坂口安吾
るらしく、俺の馬は日本一だと云いつけていた。するとその子供が根作の自慢をそっくり
受け売りに綴り方を書いた。うちの馬は人の言葉が分って返事をするし、楠正成のような....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えか。暑っくるしいから、やじうまはどぶへへえれよッ」 すぐともう名人のせりふを
受け売りしながら、肩で風を切り、ありったけの蘊蓄《うんちく》を傾けて、いらざるこ....
「嵐」より 著者:島崎藤村
た。 「あゝ――早川賢もついに死んでしまったか。」 この三郎の感傷的な調子には
受け売りらしいところもないではなかったが、まだ子供だ子供だとばかり思っていたもの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
っても忘れがたいのは嘉永六年の六月に十二代将軍の薨去を伝えたころだと言い出した。
受け売りにしても隠居の話はくわしかった。ちょうどアメリカのペリイが初めて浦賀に渡....