» 受け渡し

「受け渡し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

受け渡しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
を追っ払ったかも知れませんが、貴方は真逆《まさか》に探偵ではあるまいけれど報酬の受け渡しが終らねば、此の上一歩も話を進める事が出来ません」 報酬の受け渡しと云....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 それから山路を歩く間、二人の会話を聞いていると、かなり人間離れのした受け渡しがあるのであります。 七 恵林寺《えりんじ》の僧堂では、若い雲水たちが....
心の河」より 著者:宮本百合子
を思い出した。あのことのみならず、日常のこまごました用件は大抵のとき、二言三言の受け渡しですぐ片づけられている。その二言三言も、言葉としては決して完全なものでな....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
認められていた如くでありました。王の全身の表現が、その鼻に依って代表されて他人に受け渡しをされていた事、恰も埃及国の全権が、ダメス王に依って掌握され、ダメス王の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
同情するの余裕がいくらか残っていると見えて、 「丸山、苦しまぎれに、さっきのあの受け渡しをもう一ぺん繰返せ、それが引導だ」 「ううむ、ううむ」 「いいか、斎藤篤....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
旗本じゃない」 「じゃア、譜代か」 「でもない」 「では、何だ」 と二人の問答の受け渡しがありました。 「あれは徳川にとっては、旗本でもなければ譜代の家柄でもな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の腹が読めきってやっている芝居で、自然、その渡りゼリフも、双方ともに一物あっての受け渡しなのですから、両方ともに相当の凄味が、底を割ってしまっていて、表面だけは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さん、しっかりしなくっちゃいけないよ」 「うん」 ここで、まず、信仰と正義との受け渡しがありました。 女がまず口を開いて、男がこれに応じたこと古事記の本文と....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
色に汗と垢がしみついており、体を伸ばす度に、たくましい皮膚と脊柱がみえた。荷物の受け渡しに手先がふれ合った。ガサガサした固い指で、やはり爪垢が一ぱいたまっていた....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
方を眺めていた。私は眼を外らした。秀子は歩み寄ってきた。私達は無言のうちに子供を受け渡しした。その後で私は、自分が如何に卑屈であるかを感じた。私は両の拳を握りし....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
様は妙である。その内部は予想に反してひっそりとしている。人々はただ黙々として金を受け渡してるだけで、その顔を見ただけでは勝ったのか負けたのか見当もつかず、喜びや....
未亡人」より 著者:豊島与志雄
の御主人が生存中は、さすが政界の黒幕だけあって、ずいぶん多額の金が、あなたの家で受け渡しされたものです。未亡人のあなたの手でも同じことがなされました。そしてこん....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
考えると婆さんが見ていたのだと思うんです。家の前を通りますから」 「茶番のような受け渡しをやってる時は気づかれていない確信があるのだね」 「そうです。その時は絶....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
った私から二番の論愚へ、そこへ行った行った、と呼ぶのだ。二番から三番の大妖へ蜂を受け渡し、最後の痘鳴が眼を皿のようにして空に飛ぶ小さな一塊の真綿を迎えるのだ。そ....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
。年寄り夫婦の用事はひっきりなしだったし、店の娘たちの世話もやけた。それに品物の受け渡しや厄介な帳づけの仕事がある。ミシンの請負からあがる利益で主人夫婦はたっぷ....