受取る[語句情報] » 受取る

「受取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

受取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
投げ出さずに、眼で猪首の若者を招くと、人の好さそうな微笑を浮べながら、 「さあ、受取るのだ。」と声をかけた。 猪首の若者は数歩を隔てて、時々|髭《ひげ》を噛《....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
んならお客様の分も持ってくりゃ好いのに。」――泰さんは苦笑しながら、その蛇の目を受取ると、小僧は生意気に頭を掻いてから、とってつけたように御辞儀をして、勢いよく....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
乗りこえ囲炉裡《いろり》の所に行って粗朶《そだ》を一本提げて出て来た。仁右衛門は受取ると、口をふくらましてそれを吹いた。そして何か一言二言話しあって小屋の方に帰....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
こぼさないでそれほど早く駈けられるとは思わなかった。 お母さんは婆やから茶碗を受取ると八っちゃんの口の所にもって行った。半分ほど襟頸に水がこぼれたけれども、そ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
散するガス塊の一部を互いに交換する。また星雲の外縁にあるガス分子が遠方の太陽から受取る輻射のために高速度を得てその星雲から離脱し空間に放出されるためにも諸太陽の....
天守物語」より 著者:泉鏡花
朱の盤 いかさまな。 夫人 私が気をつけます。可うござんす。(扇子を添えて首を受取る)お前たち、瓜を二つは知れたこと、この人はね、この姫路の城の主、播磨守とは....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
ょうでございますか。 公子 心あって招かないのに来た、賽にも魂がある、寄越せ。(受取る)卓子の上へ私が投げよう。お前たち一から七まで、目に従うて順に動くが可い。....
古狢」より 著者:泉鏡花
うと、それ、その鯛を目の上へ差上げて、人の頭越しに飜然と投げる。――処をすかさず受取るんだ、よう、と云って後の方で。……威勢がいい。それでいて、腰の矢立はここの....
転機」より 著者:伊藤野枝
を与えることができればいいと思ったのであった。 しかし私は彼からも、何ものをも受取ることができなかった。彼もまた、私の世間見ずな幼稚な感激が、きっと取り上げる....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
し去った時は、ずんぐりとして、それは熊のように、色の真黒な子供が、手がわりに銃を受取ると斉しく、むくむく、もこもこと、踊躍して降りたのを思うと、一具の銃は、一行....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
通信の後期五年間に於ては、一団の霊達が各自自分の書体で通信を寄越した。 『通信を受取る時の状態は種々雑多であった。通則としては私が周囲と絶縁することが必要で、私....
化鳥」より 著者:泉鏡花
六 今ではそんな楽しい、うつくしい、花園がないかわり、前に橋銭を受取る笊の置いてある、この小さな窓から風がわりな猪だの、希代な蕈だの、不思議な猿....
競馬」より 著者:犬田卯
女房のような口喧しい細君が、神経を尖らして待っているのであろう。 紳士は五円を受取ると丁寧に礼を言って、どこかへ去って行った。 仙太は重い金時計を懐中へ押し....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
をお負け申して……九十円。」 「買おう。」―― 言った通り、荷造りを頼むなり、受取るなり――楽屋へは持って行けないから――もう一度来るとして、それから三人で舞....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
太郎右衛門が受取らなければその五枚も伊作に取られてしまうのを知っているので、是非受取るようにすすめたけれども受取りませんでした。伊作は太郎右衛門がどうしても受取....